エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.882
2020.06.26 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ワランティシールを破り、内部構造をチェックしていく。10年保証の信頼性を支える設計は、どのようなものだろうか |
続いて「DQ850-M-V2L」を分解し、その内部構造を細かく見ていこう。まず印象的だったのは、入力部以外に内部ケーブルを使用しないケーブルレス設計だ。各種ドーターボードがPCBに直接半田付けされ、出力電力の品質向上や筐体内エアフローの改善、パーツ点数の削減など複数のメリットがある高度な設計だ。PCB自体も良い物が使用され、コンデンサは一次・二次側を含めすべて日本メーカー製が採用されている。
そして真上から眺めてみると分かりやすいが、PCBの全長に比べ、筐体内部にかなりの余裕があることが見て取れる。その気になれば、20mmほど奥行きを縮めることも十分に可能だったハズだ。
かなり余裕たっぷりに格納されている「DQ850-M-V2L」のPCB。基板設計も非常に分かりやすく、キレイに整った状態で実装されていた |
突入電流やノイズを防ぐ、二重のフィルターを備えた入力部。この部分に使われているのは必要最小限のケーブルで、ここ以外にはケーブルが使われていない |
入力回路に隣接している一次側の整流回路。発熱する部位のため、小型のヒートシンクに貼り付けられている | 力率を改善するためのアクティブPFC回路 |
一次側の平滑回路には、105℃に対応する日本ケミコン製の大容量コンデンサが実装されていた |
そのすぐ隣にある長めのヒートシンクには、直流電力を高周波に変換するスイッチング回路が貼り付けられていた。高効率稼働のため発熱が小さいのか、ヒートシンクはシンプルな板状だ | 中央に実装されているメイントランス。入力電圧を異なる電圧に変換する |
その隣に実装されていたスタンバイ用のサブトランスと、周辺の各種保護回路 |
高周波の波状を直流に変換する二次側の整流回路。小型ながら、やや複雑な形状のヒートシンクが取り付けられている | 二次側の平滑回路。薄手のヒートシンクを複数備えるほか、応答速度が要求されるため(やはり日本メーカー製の)固体コンデンサも採用されている |
高効率と安定した出力を実現するDC-DCコンバータ。その奥には、コネクタが接続されるモジュラー基板が実装されていた |
冷却機構は、120mm口径のFDBファンが採用されている |
この手の電源ユニットで採用例の多い、HongHua製の「HA1225H12S-Z」を搭載。PCBとは2pinコネクタで接続されていた |