エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.882
2020.06.26 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
隠された内部構造のチェックが終わったところで、いよいよその実力を各種負荷テストを用いて検証していこう。「DQ850-M-V2L」のテスト環境には、16コア/32スレッドを誇る第3世代Ryzenの最上位CPU「Ryzen 9 3950X」(3.5GHz/最大4.7GHz/TDP105W)、GeForce RTX 2080 Tiを搭載したMSIのハイエンドグラフィックス「GeForce RTX 2080 Ti GAMING Z TRIO」を採用。それらをASRockのAMD X570マザーボード「X570 Taichi」とともに組み込み、最上級のウルトラハイエンド構成を用意した。
CPUはメインストリーム初の16コア/32スレッドモデル「Ryzen 9 3950X」を搭載。マザーボードはASRockのハイエンドモデル「X570 Taichi」を使用した |
ブーストクロック1,755MHzで駆動、16Gbpsの超高速GDDR6メモリを実装するMSI「GeForce RTX 2080 Ti GAMING Z TRIO」。推奨電源ユニットは650W以上とされる |
「GeForce RTX 2080 Ti GAMING Z TRIO」の動作を「GPU-Z」でチェック。高負荷時には最大1,950MHzまでクロックが上昇していた |
製品を検証するにあたって、電圧変動を視覚的に把握できる「AIDA64 Extreme Edition」を使用している。まずはソフトウェアに搭載されているストレステストの「System Stability Test」を実行、高負荷環境下における挙動をチェックしてみよう。なおテストは、チェックボックスをすべて埋めて最大の負荷がかかるよう設定。その状態で30分間動作させている。
なお、一般的に電源ユニットは、容量の半分程度の負荷がかかった際に最も高効率な動作が可能とされている。今回の消費電力は最大496W、やや重めの負荷がかかっていたようだ。
さてテスト結果を確認すると、+12Vと+5.5Vでやや定格を割っている。ただしPC用電源は規格上2%程度の変動が認められていることから、最大値の定格割れは、ほぼ誤差の範囲だ。
引き続きシステムの主要な動作に用いられる+12Vの数値を中心に見ていくと、最小値こそ11.880Vまで落ちているが、それはテスト開始時の一瞬だけ(それでも規格の範囲内)。実際の負荷がかかっている際は11.933Vにピタリ張り付いて動作しており、挙動は極めて安定している。定格との差は0.01%未満で、グラフの波形もフラットそのもの。電源ユニットとしては、理想的な挙動と言える。