エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.884
2020.07.02 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/池西 樹/撮影:pepe
ここからは各種ベンチマークソフトを使い、これまで紹介したSAPPHIRE「Radeon RX 5000」シリーズの実力をチェックしていこう。検証用マシンのCPUには第3世代RyzenシリーズのハイエンドRyzen 9 3900X、マザーボードにはAMD X570チップセットを搭載するASRock「X570 Taichi」を採用した。なおBIOSスイッチについては、すべてのモデルで初期設定(Primary BIOS)のまま検証を行っている。
「NITRO+ RX 5700 XT 8G GDDR6」の「GPU-Z 2.32.0」の結果。GPUクロックは公称値通り最大2,013MHzまで上昇する |
「PULSE RX 5600 XT 6G GDDR6」の「GPU-Z 2.32.0」の結果。動作クロックは最大1,748MHzで、最新V-BIOSが適用済みのためメモリスピードは14Gbps(1,750MHzx8)となっている |
「PULSE RX 5500 XT 8G GDDR6」の「GPU-Z 2.32.0」の結果。こちらもGPUクロックはほぼ公称値通り最大1,841MHzだ |
まずはAPIにDirectX 12を使用する、定番の3Dベンチマークソフト「3DMark Time Spy」のスコアから確認していこう。なおプリセットはWQHD解像度(2,560×1,440ドット)の「Time Spy」と、4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」の2種類を選択している。
まず「Time Spy」の結果を確認すると、「PULSE RX 5500 XT 8G GDDR6」のGraphics scoreは5,000ポイントに届かず。フレームレートもGraphics test 1は30fpsを超えるものの、Graphics test 2では30fpsを割り込み、WQHD解像度ではシングルプレイでも処理の重いゲームはかなり辛い印象だ。
一方で「PULSE RX 5600 XT 6G GDDR6」は約7,600ポイント、「NITRO+ RX 5700 XT 8G GDDR6」では約9,500ポイントをマーク。フレームレートもそれぞれ50fps前後と60fps前後で、シングルプレイはもちろん、画質を少し調整するだけでマルチプレイでも快適にゲームが楽しめるはずだ。
続いて「Time Spy Extreme」の結果を見ていこう。こちらは最もスコアの高い「NITRO+ RX 5700 XT 8G GDDR6」でも、Graphics scoreは約4,200ポイントに留まる。フレームレートはGraphics test 1が約30fps、Graphics test 2は20fps前半までしか上がらず、重量級のゲームではやや心もとない。
当然のことながら、それ以外の2モデルでは、4K解像度を目指すのはかなり厳しいと言わざるを得ない。解像度を上げることにこだわりすぎず、実際のゲームではそれぞれのGPUが想定しているターゲット解像度をベースにして、プレイ設定を詰めるべきだ。