エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.885
2020.07.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
コンパクトなMini-ITXマザーボードだが、CPUソケット周りは余裕のある作り。今回はオールインワン型水冷ユニットで検証を行ったが、ウォーターブロックの取り付けはスムーズに行うことができた |
ここからは編集部に届けられた評価サンプルをパッケージから取り出し、詳細検証を進めていこう。まずは「MEG Z490I UNIFY」自慢の電源回路からだ。
基板スペースに余裕があるATXやE-ATXのハイエンドモデルでは、フェーズ数を増やすことで電源回路の出力を高めている。一方、Mini-ITXの「MEG Z490I UNIFY」では、フェーズ数を増やす代わりに、コンシューマ向けでは最高クラスの出力を誇る「90A Smart Power Stage」や、電源効率が高く、信頼性に優れる「Titanium Choke III」など、高品質なパーツを採用することで、フェーズ数を8フェーズに抑えつつ、第10世代Intel Coreプロセッサのオーバークロックにも耐えられる出力を可能にしているワケだ。
CPUソケットはLGA1200。クーラーを固定するホールはこれまでと同じだが、TDP 125Wモデルを使うなら、CPUクーラーの冷却性能にはこれまで以上に注意を払う必要がある |
MOSFETは、各社フラッグシップクラスの製品にしか使用されていない「90A Smart Power Stage」。ローサイドMOSFET、ハイサイドMOSFET、ドライバICを1チップに統合しており、省スペース化にも一役買っている |
デジタルPWMコントローラIntersil 「ISL69269」 | CPUソケットの裏面にはバックプレートを実装。またクーラーやウォーターブロックの締め付けすぎを注意する透明なシートも貼り付けられていた |
8フェーズの電源回路は、フェーズダブラーを使わずIntersil 「ISL69269」によって直接制御されている |
また「MEG Z490I UNIFY」では、電源回路の発熱を効率的に冷却するため、ヒートパイプで連結された2ブロック構成のヒートシンクや、7W/mkの高熱伝導サーマルパッドを採用。さらにリアパネル部分にはセミファンレス「Zero Frozr」対応の吸気用ダブルボールベアリングファンを備え、フレッシュな外気をヒートシンクに直接吹き付けることで、電源回路の温度を常に低く保つことができるよう設計されている。
ヒートパイプで連結されたアルミニウム製ヒートシンク。MOSFETとチョークコイルが接触する部分には高熱伝導サーマルパッドが貼り付けられていた |
吸気用のダブルボールベアリングファンは、セミファンレス機能「Zero Frozr」対応のため、アイドル時は完全に無音。また「CLICK BIOS 5」のファンコントローラによる制御も可能だ |
「MEG Z490I UNIFY」に実装されるチップセットは、LGA1200プラットフォーム向け最上位の「Intel Z490」だ。PCI-Express3.0は24レーンで、最高2.4Gbpsの高速無線LAN機能Intel Wi-Fi 6 AX201や、マルチグラフィックス向けのPCI-Expressレーン分割機能、「K」シリーズCPU向けのオーバークロック機能に対応する。
Intel 400シリーズの最上位Intel Z490。TDPは6W、PCI-Expressは合計24レーンで、オーバークロックやCPUのPCI-Expressレーン分割機能を搭載する |