ベンチマークテスト：CINEBENCH R15

まずは定番のレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15」で、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。

テスト時間が短く、最高クロックの状態が比較的維持される「CINEBENCH R15」だが、シングルコアテストについては、最高クロックが4.70GHzに引き上げられたRyzen 9 3900XTとRyzen 7 3800XTがほぼ同等のスコアでトップを獲得。またRyzen 5 3600XTもRyzen 9 3900Xとの差は1％未満しかなく、かなり健闘している。一方、マルチコアテストについては、Ryzen 9 3900XTとRyzen 9 3900Xで約1％の差しかなく、ほとんど誤差の範囲だろう。

ベンチマークテスト：CINEBENCH R20

続いて、よりメニーコアCPUに特化したレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R20」のスコアを確認していこう。

シングルコアテストでは、Ryzen 7 3800XTがブーストクロックが同じRyzen 9 3900XTをも上回りトップを獲得。これはRyzen 7 3800XTの方がコア数が少なく、自動オーバークロック機能が動作する条件である、電力や温度に余裕が出やすいためだと思われる。スコアも545ptsと非常に高く、コンシューマ向けCPUでは間違いなく最高峰のパフォーマンスと言って差し支えない。

またRyzen 5 3600XTもRyzen 9 3900XTとほぼ同等のスコアを叩き出し、シングルスレッド処理については確実にクロックアップの効果がある。一方、マルチコアテストの差はやはり1％前後とごくわずか。マルチスレッド処理では「Ryzen 3000XT」シリーズと従来モデルの間に大きな差はないようだ。

ベンチマークテスト：Blender

次に、より実際のレンダリング処理に近い負荷が掛かる、統合型3DCGソフトウェア「Blender」のベンチマーク結果を確認しておこう。

レンダリングの時間は、12コア/24スレッドで、クロックも高いRyzen 9 3900XTが最も短く、続いてコア数通りにRyzen 9 3900X、Ryzen 7 3800XT、Ryzen 5 3600XTが並ぶ順当な結果。ただし、Ryzen 9 3900XTとRyzen 9 3900Xの差は約7秒とごくわずか。実際の作業でその違いを体感することはできないだろう。