エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.889
2020.07.14 更新
文:/撮影・pepe
続いてオーバードライブ機能の設定を変えることで、残像感にどのような変化があるか確認しよう。OSDのデフォルトは「Level3」に設定されているが、この値を「Level0」、最大値となる「Level5」にしてそれぞれの違いを「Blur Busters UFO Motion Test」で確認してみよう。リフレッシュレートは240Hzに設定し、その際の映像をデジタルスチルカメラのスーパースローモーションで直接撮影している。
「Level0」では、「Level3」や「Level5」と比較して、わずかに残像が長く残っているようにも感じられる。「Level3」と「Level5」では大差が無いように感じるが、画質低下等の不具合も特に見受けられないため、実際にプレイするタイトルに合わせて適宜設定するのがいいだろう。
最後は「XG17AHPE」に内蔵されている、7,800mAhのバッテリーの実際の駆動時間を計測する。テストは先ほど同様に「ROG Zephyrus G14 GA401IV」のUSB3.1 Type-Cから、USB-C to USB-Cケーブルで接続し、OSDメニューの「Power」項目からUSB-C to USB-C接続時の電力供給を無効とし、「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」をループさせている。リフレッシュレートによって駆動時間の変化があると予想されるため、240Hzと60Hzでそれぞれ計測。なお、「XG17AHPE」のスピーカー出力はON、「ROG Zephyrus G14 GA401IV」のシステムサウンドをミュートとしている。
バッテリー駆動時間は、リフレッシュレート240Hz時はメーカー公称値に近い3時間37分、60Hz時で5時間23分という結果になり、どちらもバッテリー残量が1%以下となりディスプレイの電源がOFFとなった。7,800mAhの大容量バッテリーは、電源が確保できない環境下でも長時間の駆動が可能だ。ただし、OSD上からはリフレッシュレートを固定することができないため、現状では一部のデバイスやコンシューマゲーム機で自動的に240Hzとなってしまうだろう。
今回検証で使用したように、ゲーミングノートPCとの相性は抜群に良い。DX11世代の比較的レガシーなタイトルであれば高FPSが維持できるというユーザーにとっては、現状のゲーミングノートPCをそのままに液晶部分だけをアップグレードすることができる。日常的なタスクをこなす際は、リッチなセカンドディスプレイに早変わりだ。USB Type-C(DP alt mode)に対応するノートPCであれば、USB-C to USB-Cケーブル1本を接続するだけで完結するシンプルなシステムも嬉しい。
純粋に高リフレッシュレート環境が必要なら、24型等の据え置きタイプのゲーミング液晶を買った方が良いという意見もあるかもしれないが、「XG17AHPE」は重量1.06kg、厚さ約10mmのポータブル液晶だ。例えば宿泊を伴うちょっとした遠出の際にも、リッチな環境でゲームを楽しみたいという、欲張りなゲーマーのニーズに応えてくれる。シーンを問わずあらゆる場所で使えることが最大のメリットだろう。
価格はお世辞にも安いとは言えないが、他の製品と比較しようとしてもここまでゲーミング性能の高い製品はない。現在流通するポータブル液晶カテゴリにおいてオンリーワンの存在。特にゲーミング用途においては納得のハイスペックである。一般的になりつつあるテレワークや通常の作業用途としては、明らかにオーバースペックであるものの、仕事も遊びも妥協せず、万能かつ持ち運びができるポータブルな液晶となれば「XG17AHPE」へと自然にたどり着くだろう。
協力:ASUS JAPAN株式会社