エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.890
2020.07.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
そもそもテンキーレスキーボードは、フットプリントの小ささに加えて、ポインティングデバイスとの距離の近さがメリットに挙げられる。それでも実際に操作する際は手を動かす必要があるワケだが、その距離を“ゼロ”にできるのがポインティングスティックだ。手をホームポジションに置いたまま、指をスティックに乗せるだけでカーソルを動かせる手軽さはたまらない。
この替えの効かない操作感は、長くポインティングスティックに親しんできたユーザーにとっては、ある意味で悩ましい点の一つ。デスクトップでキーボードに向かう際、たとえメカニカルスイッチのリッチな打鍵感を味わいながらも、どこか物足りなさを感じる瞬間があっただろう。そうした“指と心のスキマ”をうまい具合に埋めてくれそうな存在が、ARCHISSから登場した「Quattro TKL」だ。
メカニカルキーボードの打鍵感と、ポインティングスティックの操作感。このありそうでなかった魅惑のコラボレーション、待ち望んでいたマニアは少なくないはずだ。
搭載された静電容量式のポインティングスティックは、現行のワイドなディスプレイ環境でも快適にカーソルを動かせるだけの、十分な性能を備えている。さらにキーキャップの果てまでこだわりが詰まった「Quattro TKL」は、キーボードとしての完成度が極めて高い。ポインティングスティックの愛好家とメカニカルキーボードユーザー、その両方を満足させることができる傑作。ぜひその出来栄えを試してほしい。
見事な総合入力デバイスに仕上げられた「Quattro TKL」。ポインティングスティックを搭載した、ARCHISSの次なるバリエーションにも期待してしまう |
協力:株式会社アーキサイト