エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.892
2020.07.22 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まずは電源周りからチェックしていこう。ミドルレンジ向けのチップセットを搭載しながら、ハイエンド並みの強靭さを備えている |
「B550 AORUS MASTER」の最大の特徴に挙げられるのが、ミドルレンジ最高峰となる14+2フェーズの強靭な電源回路だ。大出力MOSFETの「70A Power Stages」により、各フェーズ70A、合計1,120Aの電力を供給できる。また、Infineon製のデジタルPWMコントローラを採用するほか、フェーズダブラーを使うことなく直接16フェーズのPWMを搭載している点もポイント。一般的なパラレルPWMに比べ、より優れた電力効率を発揮する設計だ。
CPUソケットは変わらずSocket AM4を採用。第3世代Ryzenをサポートしている |
ヒートシンクを覆うようにレイアウトされたI/Oカバー。内部にアドレサブル対応のRGB LEDが仕込まれている |
カバーを取り外すと、自慢の電源回路を冷却する大型のヒートシンクが姿を現す |
冷却機構には、放熱面積を従来型ヒートシンクの300%に拡大した「Fins-Array ヒートシンク」を採用。2ブロックに分かれたヒートシンクは、放熱性と剛性を強化する放熱性ベースプレートを備え、大口径ヒートパイプで連結。7.5W/mKの高熱伝導性サーマルパッドでMOSFETに接する仕様になっている。
そのほか、通常の2倍の銅箔層を備えた「2X Copper PCB」を採用してPCB全体の放熱性を高めるなど、いずれもオーバークロックの電力負荷に対応することを考慮した、頼もしい構成だ。
MOSFET温度を最低30℃低下させるという、スタックドフィン設計を採用した「Fins-Array ヒートシンク」。従来型の3倍に及ぶ、広大な放熱面積をもっている |
ヒートシンクは、2つのブロックをヒートパイプで連結した構造。MOSFETに接する部分には、7.5W/mKの高熱伝導性サーマルパッドが貼り付けられていた |
歪みなく実装された電源回路。フェーズダブラーを使わず、直接14+2の合計16フェーズPWMを搭載している |
各フェーズ70Aを出力可能な「70A Power Stages」を採用し、16フェーズ分で合計1,120Aの電力を供給する仕様。それらMOSFETに対し、高品質なチョークコイルや全固体コンデンサを組み合わせている |
バックプレートに覆われたマザーボード背面。背面コンポーネントの放熱を助けるとともに、ボード全体の剛性を高める役目を担っている |
バックプレートを取り外して裏面をチェック。電源回路の裏側とサーマルパッドで接し、プレートに熱を伝える仕様になっている |
AORUSのロゴイメージを象った、チップセット用ヒートシンク |
「B550 AORUS MASTER」が搭載するチップセットは、AMD B450の後継として登場したミドルレンジ向けの最新チップ「AMD B550」。最大の特徴はPCI-Express4.0のサポートだ。上位のAMD X570とは異なりCPU直結のレーンのみPCI-Express4.0対応としたことで、より手頃にPCI-Express4.0 SSDを利用可能になった。
なお、チップセット側レーンはPCI-Express3.0接続のため、AMD X570で課題になった発熱はクリア。「B550 AORUS MASTER」に採用されているのは、AORUSのロゴが入ったファンレスタイプのヒートシンクだ。
基板上に4箇所でネジ止めされていたヒートシンク。チップセットの発熱が抑えられたことで、サイズも控えめになりファンも不要になった |