エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.898
2020.08.08 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
ASUS「PB50-BBR015MV」 オープンプライス(2020年8月7日発売) 製品情報(ASUS) |
幅と奥行きはいずれも175mm、高さは34mmと、非常にスリムな筐体を採用する「Mini PC PB50」 |
「Mini PC PB50」は、小型かつスリムな筐体を採用したベアボーンキット「PB」シリーズの新モデル。筐体サイズは幅と奥行きが175mm、高さが34mmで、薄さとフットプリントの小ささを活かし、縦置きやVESAマウントにも容易に対応できる取り回しの良さがひとつの特徴と言える。個人利用はもちろん、デジタルサイネージやシンクライアントPCといったビジネス用途にも活用しやすい。
同じ「PB」シリーズの従来製品である「PB40」および「PB60」はいずれもIntel製CPUを採用していたが、「Mini PC PB50」に関してはAMD製の「Zen+」ベースAPU「Ryzen Mobile」(コードネーム「Picasso」)を採用する点にも注目すべきだろう。小型PCといえばIntel製CPU、というイメージを持っているユーザーも多いかと思うが、近年はAMDの躍進に伴い、小型PCにおける採用例も徐々に増え始めた。上位モデルである「PB50-BBR015MV」には「Ryzen 7 3750H」、下位モデルの「PB50-BBR014MV」には「Ryzen 5 3550H」が搭載されており、いずれも4コア/8スレッド構成でグラフィックス機能を内蔵している。
本体背面の限られたスペースには整然と端子類が並ぶ |
「Ryzen 7 3750H」の内蔵グラフィックスは「Radeon RX Vega 10」、「Ryzen 5 3550H」は「Radeon RX Vega 8」となるが、2つのモデルの違いはこれだけだ。いずれもベアボーンキットであるため、メモリとストレージは別途自分で用意する必要がある。メモリスロットはSO-DIMMタイプで、最大容量32GB、DDR4-2400動作に対応。ストレージについてはPCI-Express3.0またはSATA3.0(6Gbps)のM.2 SSDを1台と、2.5インチのSATA SSD/HDDを1台まで搭載できる。
本体パッケージは実測で幅約385mm、高さ約250mm、厚さ約70mm。サイズ的にはノートPCのパッケージのような印象を受ける |
画面出力はHDMI、D-Sub 15ピン、DisplayPortの3系統を備えており、マルチディスプレイにも対応可能だ。本体背面にはギガビットLANポートを備えており、加えて無線LANモジュールを内蔵するため、カードの追加なしでIEEE 802.11ac無線LAN、およびBluetooth4.2を利用できる。
APU自体は軽めのPCゲームであれば何とかプレイできるだけのポテンシャルがあり、マルチストレージ環境も構築できるため、小型ながらそれなりのスペックのPCを組み上げるのも難しくない。小型でもスペックは盛りたい、というユーザーにとってはありがたい拡張性の高さだろう。