エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.899
2020.08.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは定番のレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15」で、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。
シングルコアテストでは、最高4.35GHz前後までクロックが上昇することもあり204cbと良好なスコア。Ryzen 9 3900Xとの比較では約4%、Ryzen 9 3900XTとの比較でもその差は約7%とかなり健闘している。
一方、マルチコアテストでは3.70GHz前後でクロックが頭打ちになるため、Ryzen 9 3900Xとの比較で約11%、Ryzen 9 3900XTとの比較では約13%とスコア差が広がっている。とは言え、8コア/16スレッドのRyzen 7 3800XT(2,221cb)や、10コア/20スレッドのCore i9-10900K(2,595cb)と比較すると、確実にコア数のアドバンテージがある。
続いて、よりメニーコアCPUに特化したレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R20」のスコアを確認していこう。
シングルコアテストは506pts。さすがにTDP 105Wの第3世代Ryzenシリーズや、TDP 125Wの第10世代Intel Coreプロセッサにはおよばないものの、ハイエンドCPUらしい良好なスコアだ。
またマルチコアテストを確認すると、Ryzen 9 3900Xとの比較で約11%、Ryzen 9 3900XTとの比較では約12%で、やはり差が広がっている。ただし8コア/16スレッドのRyzen 7 3800XT(5,157pt)や、10コア/20スレッドのCore i9-10900K(5,997pts)との比較では「CINEBENCH R15」と同様、大きく上回っている。
次に、より実際のレンダリング処理に近い負荷が掛かる、統合型3DCGソフトウェア「Blender」のベンチマーク結果を確認しておこう。
Ryzen 9 3900とRyzen 9 3900X/XTの性能差はこれまでとほぼ同じ約10%。ただし処理時間は60秒以上の差がつき、人によっては無視できない違いになるだろう。マルチスレッド処理に最適化されたレンダリングなどを頻繁に行う場合は、素直にクロックの高いRyzen 9 3900XやRyzen 9 3900XTを選択したほうが良さそうだ。