エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.900
2020.08.13 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
続いては、さらに厳しい環境での冷却パフォーマンスを確かめるため、CPUのオーバクロックにチャレンジ。「インタラクティブUEFI」の「OC Tweaker」項目にアクセスし、4.4GHzにチューニングした際の挙動をチェックしていこう。定格クロックとの比較では、+300MHzほどクロックが上昇していることになる。
UEFIで動作クロックを4.4GHzに設定、コア電圧を1.4375Vに調整した |
設定通り全コア4.4GHzで安定動作。ストレステストにて、どの程度発熱を抑え込めるかを見ていこう |
最大消費電力は、定格動作時の246Wから281Wへと35W上昇。発熱もワンランク上のステージにアップしており、CPU温度は概ね80~90℃の範囲で推移していた。それでも温度は最大94.5℃に留まり、CPUの許容する最大温度(95℃)の範囲内に収まっている。
ただし冷却ファンの回転数はほぼ最大回転の1,800rpmに張り付きといった状況で、どうやらこのあたりが冷やし切れる限界のようだ。オーバークロックでの運用を考慮するなら、ある程度ライトな範囲に留めておいた方が無難だろう。
多数のメーカーがひしめく戦国時代なオールインワン型水冷ユニット市場において、大ヒットを飛ばした「MasterLiquid Lite」シリーズ。ほどよい値ごろ感と確かなパフォーマンス、さらにCooler Masterのブランド力を加えた三位一体の魅力は、最新シリーズにもしっかり受け継がれている。
新世代のデュアルチャンバーポンプや表面積を拡大したラジエターにより、順当にパフォーマンスアップを達成。特にCooler Masterのエントリー向けシリーズで初の360mmラジエターモデルとして投入された「MasterLiquid ML360L V2 ARGB」は、現行のハイエンドCPUを余裕で冷やし切れる、印象的な冷却性能を備えていた。
アドレサブルRGBへの進化に代表されるように着実にトレンドを取り込みつつ、やや地味な部分ながらシーリング周りも強化されるなど、全方位がアップグレードされた最新シリーズ。エントリー層に向けたコストパフォーマンスの高さも健在で、360mmラジエターモデルながら240mmモデルと同等の価格で購入できる「MasterLiquid ML360L V2 ARGB」は、水冷初心者でも手を伸ばしやすい。
ヘビーなオーバークロックはやや荷が重いものの、定格運用なら死角なし。これからのオールインワン型水冷市場を牽引する、新しい定番モデルの誕生だ。
協力:Cooler Master Technology