エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.901
2020.08.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
「B550 Taichi」自慢の強力な電源回路。16コア/32スレッドのRyzen 9 3950Xを含む、すべての第3世代Ryzenシリーズに加え、次世代CPUへの対応も謳われている |
製品の概要を把握したところで、ここからは画像による詳細検証を進めていこう。まずはシステムの安定性や、オーバークロック耐性を司るCPUの電源回路回りを重点的にチェックしていこう。
ヒートパイプで連結された2ブロック構成の大型ヒートシンク「XXLアルミニウム合金製ヒートシンク」を搭載する電源回路は、上位モデルである「X570 Taichi」を超える16フェーズ構成。さらに最大50Aまで対応する「Dr.MOS」や、飽和電流を最大3倍に拡大した「プレミアム60Aパワーチョーク」、通常のコンデンサに比べて製品寿命が20%も長い「ニチコン12Kブラックキャップ」など、上位チップセットのハイエンドモデルと同等の高品質パーツを使用する豪華な構成だ。
また電力損失を23%、コネクタ温度を22℃も低減したという「高密度電源コネクタ」や、放熱性に優れる「2オンス銅層PCB」など、ヒートシンク以外にも万全の冷却対策が施されている。
「Dr.MOS」「プレミアム60Aパワーチョーク」「ニチコン12Kブラックキャップ」が整然と並ぶ電源回路。エアフローを阻害しないようチョークコイル間には隙間が設けられている |
ドライバIC、ハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFETを1チップに統合した「Dr.MOS」を採用することで、16フェーズという多段電源回路ながら余裕のある作り |
補助電源コネクタも「X570 Taichi」の8+4pinから8+8pinへと強化されている | ソケット裏面には金属製のバックプレートを実装。またフェーズダブラーも基板裏面に実装されていた |
ヒートパイプで連結されたL字型のヒートシンクは、MOSFETだけでなく、フェライトコアチョークの冷却も引き受けている |
「B550 Taichi」が採用するのは、Socket AM4向けミドルレンジチップセット「AMD B550」だ。PCI-Express4.0への対応が謳われているものの、実際に使用できるのはCPUの24レーンのみ。チップセット自体の10レーンはPCI-Express3.0のため、基本的にはグラフィックスカードと1台のNVMe M.2 SSDが、PCI-Express4.0に対応することになる。ただし、その分AMD X570に比べて発熱も抑えられており、チップセットヒートシンクの冷却ファンは省略されていた。
AMD 400/300シリーズと似た外観になったAMD B550。チップセット内蔵の10レーンはPCI-Express3.0に制限されている |
「B550 Taichi」の基板下側には大型のメタルプレートが実装されているが、チップセットにはさらに小型のヒートシンクが搭載されていた |
AMD B550で使用できるPCI-Express4.0は、CPUの24レーンのみ。ただしそのうち4レーンはチップセットとの接続に使用される(接続はPCI-Express3.0に制限)ため、実際には20レーンになる |