エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.901
2020.08.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
10ギガビットLANとのピア・ツー・ピア接続のため、今回はCat 8ケーブルを使用 | Wi-Fi 6&Bluetooth 5.0用に大型の外部アンテナが付属 |
2.5ギガビットLANはAMD B550で採用例の多い、Realtek ICではなくIntel I225-V。また無線LANモジュールはIntel Wi-Fi 6 AX200を搭載 |
Intel Wi-Fi 6 AX200によるWi-Fi 6無線LAN機能に加え、Intel I225-Vによる2.5ギガビット有線LANを搭載する「B550 Taichi」。そこで、今回はWindows 10のネットワークドライブ機能を使い、そのパフォーマンスを検証してみることにした。テストは10ギガビットLANとWi-Fi 6に対応するホストPCを別途用意し、有線LANについてはピア・ツー・ピア、Wi-Fi 6はアドホックに非対応のためルーター経由で接続した。
10ギガビットLANポートとピア・ツー・ピア接続すると、しっかり2.5Gbpsで認識 | Intel Wi-Fi 6 AX200も2.4Gbpsで接続できている |
10ギガビットLAN(ホスト)-2.5ギガビットLAN(検証機) | ギガビットLAN(ホスト)-2.5ギガビットLAN(検証機) |
Wi-Fi 6(ホスト)-Wi-Fi 6(検証機) | ギガビットLAN(ホスト)Wi-Fi 6(検証機) |
「10ギガビットLAN(ホスト)-2.5ギガビットLAN(検証機)」では、「ギガビットLAN(ホスト)-2.5ギガビットLAN(検証機)」からシーケンシャル読込は約2.5倍の296MB/sec、書込も約2倍の231MB/secへと向上。その他のスコアも軒並み上昇しており、別途対応するハブ、もしくはルーターが必要になるが、ネットワーク速度を重視するなら2.5ギガビットLAN環境の導入はオススメだ。
またWi-Fi 6の転送速度を確認すると、無線LAN同士ではホスト側のスピードが上がりきらず「Wi-Fi 6(ホスト)-Wi-Fi 6(検証機)」は読込が77MB/sec、書込が85MB/secで頭打ち。ただしホスト側をギガビットLAN接続に変更すると、「ギガビットLAN(ホスト)-2.5ギガビットLAN(検証機)」と変わらないレベルまで転送速度が改善された。このことから、ホスト側を2.5ギガビットLANや10ギガビットLANに変更すれば、さらに転送速度を引き上げることができそうだ。
無線LAN接続同士では、ホスト側にもIntel Wi-Fi 6 AX200無線LANカードを増設しているが、転送速度が最大でも750MBpbs前後で頭打ちとなり、ボトルネックになってしまった |
PCI-Express4.0に対応するHyper M.2スロットは上段のみ。グラフィックスカードに近い、冷却には不利な条件だが「Full Coverage M.2 Heatsink」で冷却することができるのだろうか |
続いて、「Hyper M.2」スロットに実装されているヒートシンク「Full Coverage M.2 Heatsink」の冷却性能をチェックしていこう。検証には、CFD「PG3VNF」シリーズの2TBモデル「CSSD-M2B2TPG3VNF」を使用。負荷テストは「CrystalDiskMark 7.0.0」のデータサイズ16GiB、テスト回数9回を3回連続で実施し、その温度と転送速度の推移を「HWiNFO64」で測定している。
「ヒートシンクなし」の「CrystalDiskMark 7.0.0」スコア | 「ヒートシンク装着時」の「CrystalDiskMark 7.0.0」スコア |
ヒートシンクを搭載しない状態でテストを開始すると、温度は一気に85℃まで上昇。その後はサーマルスロットリングによって、温度は抑えられるが、その分転送速度も大きく落ち込んでしまう。一方ヒートシンクを装着すると温度上昇が緩やかになり、温度も74℃までしか上がらなかった。それに伴いサーマルスロットリングも完全に解消され、テスト中に一度もスコアが落ち込むことはなかった。
「ヒートシンクなし」アイドル時のサーモグラフィ結果 | 「ヒートシンクなし」高負荷時のサーモグラフィ結果 |
「ヒートシンク装着時」アイドル時のサーモグラフィ結果 | 「ヒートシンク装着時」高負荷時のサーモグラフィ結果 |
またサーモグラフィの結果を確認すると、ヒートシンクがない状態ではコントローラ付近の温度は最高92.9℃まで上昇。コントローラに貼り付けられているメタルプレートだけでは明らかに放熱対策が不十分であることがわかる。