エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.902
2020.08.19 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
BIOSTAR「B550GTA」 市場想定売価税抜17,254円(2020年7月23日発売) 製品情報(BIOSTAR / 株式会社アユート) |
BIOSTAR「B550GTA」は、ゲーミング向けモデル「Racing」シリーズに属するATXマザーボード。チップセットは6月にリリースされたばかりのAMD「B550」で、第3世代Ryzenをサポートする。B550マザーボード共通の特徴として、CPU直結のPCI-Express4.0を利用でき、対応するグラフィックスカードやSSDをそれぞれ1つずつ搭載できる。なお、チップセット側のレーンはPCI-Express3.0までの対応となる。
現在ではほぼ見かける機会がなくなったPCIスロットを搭載。旧型の拡張カードを最新マシンに乗せ換えたいユーザーにとっては強いアピールポイントとなる |
そして冒頭で述べた通り、本製品の最大の強みとなるのが、2本のPCI-Expressスロットの下段にPCI 32bit対応の拡張スロットを備える点だ。現行の拡張カードタイプの製品は基本的にPCI-Express規格に準じており、旧規格であるPCIスロットを採用する製品はまずない。しかし、旧型のサウンドカードやキャプチャーデバイスを最新のマシンでも利用したいと考えるユーザー層は一定数存在する。簡単に言い換えれば、本製品は古いマシンからの乗り換え需要を見越したモデルというわけだ。同社は「X470GTA」など、これまでにも比較的新しい規格のマザーボードにPCIスロットを搭載したモデルをリリースしているが、こういった製品は依然として引き合いがある、ということなのだろう。
VRM部には「Dr.MOS」を使用した10フェーズ電源回路を採用 |
スペック面に目を向けると、CPU電源回路は高耐久・低発熱の「Dr.MOS」を採用した10フェーズ構成で、メモリスロットは最大DDR4-4400、メモリ容量は128GBまで対応。2つのM.2スロットは上段のM.2_1スロットのみPCI-Express4.0接続、下段のM.2_2スロットはPCI-Express3.0接続となり、スロットはどちらも専用のヒートシンク装備。ネットワークではRealtek製の2.5ギガビットLANを採用するなど、最新マザーボードらしいトレンドもしっかり押さえている。
2.5ギガビットLANはRealtekの「RTL8125」により実現している |
拡張スロットはPCIスロットに加え、PCI-Express4.0対応のx16スロットが1本、PCI-Express3.0対応のx16スロットが1本、PCI-Express3.0対応のx1スロットが3本。x16スロットは金属補強されたセーフスロットであり、重量級のカードを装着した場合も安心感がある。PCIやPCI-Express(x1)スロットは金属補強されていないが、これらに重いカードを装着することはまずないと思われるため、妥当な仕様だろう。
製品保証は通常1年間。ただし、購入日から1ヵ月以内にBIOSTARのウェブサイト「BIOSTAR VIP Care」上で製品登録することで計4年間に延長できる。長く使いたいユーザーが多いと思われるタイプの製品なので、このあたりは嬉しいサービスだろう。
ちなみにPCIスロットや2.5ギガビットLANが必要ないのであれば、MicroATXフォームファクタでより安価な「B550GTQ」を選ぶという選択肢もある。こちらも電源回路はDr.MOS仕様の10フェーズ構成で、メモリやストレージまわりの仕様もほぼ変わらない。価格は3,000円前後安価となるため、これはこれで魅力的だ。
BIOSTAR「B550GTQ」 市場想定売価税抜14,527円(7月23日発売) 製品情報(BIOSTAR / 株式会社アユート) |