エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.906
2020.09.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
次に「Mini PC PB60G」の冷却性能をチェックしていこう。なおCPUの温度やファンの回転数は「CINEBENCH」、GPUは「3DMark」実行中の最高値で、計測はいずれもGPUモジュールを搭載した状態で行っている。
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TDP 35WのCore i5-9400Tを採用していることもあり、CPUの温度は最も高くなった「CINEBENCH R20」実行中でも76℃。Tjunctionの100℃との差は24℃で、CPUクーラーの冷却性能にはまだかなり余裕がある。そして、公称消費電力が75Wとより発熱の大きいGeForce GTX 1650でも、その温度は「3DMark:Time Spy」実行中の81℃で頭打ち。NVIDIAが公表している最高温度92℃からは10℃以上も低く、こちらも冷却性能に問題はない。
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ファンの回転数と騒音値を確認すると、CPUクーラーは高負荷時の回転数が2,800rpm弱、騒音値もアイドル時+2.0dBAの38.4dBAまでしか上がらず、実際にテストをしていても回転数の変化を感じることはなかった。
またGPUファンの回転数は最高4,110rpm、騒音値は41.0dBAまで上昇。さすがにファン回転数の変化は感じるものの、個人的には耳障りに感じるほどではなく、デスク上においても問題のないレベル。音に敏感な人でもヘッドセットをすれば完全にシャットアウトできる。
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アイドル時のサーモグラフィー結果 |
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「CINEBENCH」実行時のサーモグラフィー結果 |
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「3DMark」実行時のサーモグラフィー結果 |
またサーモグラフィーの結果を見ると、CPUとGPUが完全に独立して実装されているため、「CINEBENCH」系のベンチマーク実行時は左側面が、「3DMark」系のベンチマーク実行時は右側面の温度が主に上昇していることが確認できた。
GPUモジュールを搭載することで、グラフィックス性能が飛躍的に向上する「Mini PC PB60G」。その分消費電力の増加も気になるところだが、実際にどの程度の差があるのか確認しておこう。
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アイドル時や「CINEBENCH」実行時など、GPUに負荷が掛からない状態なら消費電力の増加は約6Wとごくわずか。その違いを気にする必要はないだろう。また「3DMark」実行中でもその差は約50W。NVIDIAが公表しているGeForce GTX 1650の消費電力である75Wに比べると大幅に低く、150WのACアダプタでも余力が残されている。