エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.909
2020.09.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
GeForce RTX 2080のカスタムモデルであるGIGABYTE「GV-N2080AORUS X-8GC」を、まさに圧倒するパフォーマンスを発揮した「GeForce RTX 3080 Founders Edition」。続いて、消費電力がどの程度増加しているのか確認していこう。ストレステストは「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
アイドル時については、省電力機能が有効に働くため、いずれも90W弱で横並び。また高負荷時の差はほぼTGP(Total Graphics Power)通りとなる約90W。システム全体でも450Wを超えることはなく、NVIDIAが推奨する750W以上の電源ユニットを用意してやれば、全く問題なく動作させることができるはずだ。
ハイエンドグラフィックスカードでは、珍しい2スロット占有タイプのクーラーを搭載する「GeForce RTX 3080 Founders Edition」。その冷却性能を確認しておこう |
最後に「GeForce RTX 3080 Founders Edition」に搭載されているデュアルファンクーラーの冷却性能をチェックしていこう。消費電力の計測と同じく、ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用している。
アイドル時はセミファンレス駆動となるがGPUコアの温度は30℃台前半、高負荷時でも最高78℃で頭打ち。ファンの回転数はいずれも1,900rpm弱まで上昇するが、ノイズレベルは最高でも43.1dBAと静音性も良好。メーカー各社から登場する予定のオリジナルクーラーモデルに比べて、コンパクトなVGAクーラーを搭載している「GeForce RTX 3080 Founders Edition」だが、冷却性能については全く不安はない。
表面:アイドル時のサーモグラフィ結果 | 表面:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
裏面:アイドル時のサーモグラフィ結果 | 裏面:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
またサーモグラフィの結果を確認すると、表面だけでなく、裏面もまんべんなく温度が上昇しており、ヒートシンクだけでなく、バックプレートも放熱をサポートする効果があるようだ。
約2年ぶりとなる最新アーキテクチャ「Ampere」を採用するGeForce RTX 3080。特に4K解像度での効果はめざましく、オーバークロック仕様のGeForce RTX 2080との比較でも、ほぼすべてのゲームで1.6倍以上。「Battlefield V」では1.87倍もの差をつけ、NVIDIAの謳い文句である“最高2倍の性能向上”も決して過大表現ではないことが証明された。
またより負荷の軽いフルHDやWQHD解像度でも、おおむね1.5倍は性能が向上。さすがに標準ディスプレイはバランスが悪いが、240Hzや360Hzの超高速リフレッシュレートに対応する製品なら、その違いを体感できるだろう。さらに最近はレイトレーシングやDLSSに対応したゲームが増え、「GeForce RTX」シリーズの機能を最大限に引き出せる環境が整ってきたことも、「GeForce RTX 30」シリーズには追い風になる。
そして今回検証した「GeForce RTX 3080 Founders Edition」に目を向けると、TGP320Wとかなり発熱が増えているにも関わらず、VGAクーラーの静音性・冷却性能とも良好。さらに厚さも昨今のハイエンドグラフィックスカードでは珍しい2スロットに収められているなど、想像以上に出来が良い。つくづく国内発売の予定がないのが残念だ。
協力:NVIDIA Corporation