エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.910
2020.09.18 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ASUS「PN50-BBR026MD」オープンプライス (2020年9月11日発売) 製品情報(ASUS) |
デスクトップ市場で圧倒的な存在感を示しているAMD Ryzen、昨今はモバイル分野でも急成長を遂げている。その動きを加速させているのが、ノートPC向け本命APUとの呼び声が高い、“Renoir”こと「Ryzen 4000シリーズ モバイル・プロセッサー」だ。
「CES 2020」で発表された「Ryzen 4000シリーズ モバイル・プロセッサー」。ここ数ヶ月でノートPC新製品への採用が相次いでいる |
ノートPC向けでは初の7nmプロセスで製造されたAPUで、デスクトップ向け第3世代Ryzenシリーズと同様にZen 2アーキテクチャを採用。シングルスレッド性能をはじめ前世代からパフォーマンスが大きく向上し、グラフィックスはクラス最強を謳うRadeon Vega Graphicsを内蔵している。
その性能は競合するIntelの第10世代Coreプロセッサを上回り、なおかつ搭載機種の価格も安価とあって、にわかに市場における注目度が高まっている。
「Ryzen 4000シリーズ モバイル・プロセッサー」を採用した、超コンパクトサイズのデスクトップPC「Mini PC PN50」。メモリとストレージを追加して完成するベアボーンキットだ |
そうしたモバイル分野で話題のAPUを超小型デスクトップPCに落とし込んだのが、今回取り上げるASUSの「Mini PC PN50」だ。
まさに手のひらサイズといった大きさの0.62リットル筐体を採用する、ベアボーン形式のミニPC。国内向けには、Ryzen 5 4500U(6コア/6スレッド/2.30GHz/最大4.0GHz/TDP15W)を搭載する「PN50-BBR026MD」と、Ryzen 3 4300U(4コア/4スレッド/2.70GHz/最大3.7GHz/TDP15W)搭載モデル「PN50-BBR025MD」の2機種がラインナップされている。
メモリはDDR4-3,200MHz動作に対応する、最大64GBのSO-DIMMを実装可能。ストレージはPCI-Express接続のM.2 NVMe SSDと、2.5インチSATA SSD/HDD(SATA3.0/6Gbps)の両方を搭載できる。
ASUS「Mini PC PN」シリーズ共通のパッケージは、外形寸法が実測で幅288mm、奥行き66mm、高さ174mm。購入した追加パーツと合わせ、容易に持ち帰りが可能だろう |
現行ラインナップでは最大6コアのRadeon Vega Graphicsを内蔵しており、画面出力はDisplayPortx1.4×1、HDMI2.0x1、Display Alt modeに対応するUSB3.2 Gen.2 Type-C×2の合計4系統を装備。コンパクトながら4K/60Hzの4画面出力が可能なほか、最大8K/60Hzの大画面出力に対応している。
また、有線のギガビットLANとWi-Fi 6+Bluetooth 5.0をサポートする、強力なネットワーク機能もトピック。音声コントロールに使用できるデュアルアレイフロントマイクやリモコン用のIRレシーバーも内蔵、このサイズ感からは想像できないほどの機能が詰め込まれている。
なお今回は、ASUS JAPAN株式会社よりRyzen 5 4500U搭載モデルの「PN50-BBR026MD」を借り受け、検証を行っていく。