エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.910
2020.09.18 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
続いては、M.2スロットに搭載された「EG1VNE」シリーズSSDの性能を「CrystalDiskMark 7.0.0」を使用して検証する。高性能コントローラやDRAMキャッシュを搭載したコストパフォーマンスモデルは、ミニPCとの組み合わせでどれほどのパフォーマンスを発揮するだろうか。
「EG1VNE」シリーズの500GBモデル「CSSD-M2M5GEG1VNE」 |
なお検証にあたり、データサイズは16GiB、テスト回数は9回に設定。3回連続で実行した際の挙動を確認している。
16GiB(MB/s) | 16GiB(IOPS) |
「CSSD-M2M5GEG1VNE」の公称スペックは、シーケンシャル読込2,000MB/sec、書込1,000MB/sec、ランダム読込95,000 IOPS、書込250,000 IOPS。ランダム書込性能がやや伸び悩んでいる以外は、概ね公称値かそれ以上の数値をマークしている。
そしてヒートシンクを搭載していないにも関わらず、サーマルスロットリングが発生していない点も注目のポイント。温度は最大でも70℃程度までしか上がらず、パフォーマンスの落ち込みがない。コントローラに放熱用のメタルプレートを装着した「EG1VNE」シリーズが、熱に強いSSDである点が影響している模様。組み合わせるパーツ次第では、ミニPCならではの弱点も解消できるというワケだ。
ここからは、Radeon Vega Graphicsを内蔵する「PN50-BBR026MD」のグラフィックス性能を検証していきたい。まずは定番の3Dベンチマークテスト「3DMark」を動作させてみよう。モバイル向けの内蔵グラフィックスであることを考慮して、プリセットはミドルレンジ向けの「Night Raid」と「Sky Diver」をチョイス。さらに重量級テストを代表して、「Fire Strike」のスコアも合わせてチェックしてみることにした。
DirectX 12に対応するフルHD解像度の軽量ベンチマーク「Night Raid」は、かなり良好なスコアをマーク。ベンチマーク中のフレームレートも60fps以上出ており、タイトル次第ではフルHD環境での快適プレイが十分に見込める。
そしてDirectX 11対応のやや重めなベンチマークである「Sky Diver」でも、大いに健闘。フレームレートは40~50fps前後とまずまずの水準だ。ある程度スペックを要求するタイトルであっても、設定の見直しで対処できるだろう。
ただし「Fire Strike」の結果を見るに、重量級タイトルのプレイは荷が重そうだ。あくまでモバイルAPUであることを考慮し、プレイするタイトルを選ぶべきだろう。
次はより実際のゲームプレイに近い負荷をかけるため、人気オンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークを動作させてみた。解像度を1,920×1,080ドットのフルHDに固定し、描画品質はデスクトップPCとノートPC向けそれぞれの「高品質」と「標準品質」を選択している。
中量級のタイトルとあって、一般的なオンラインゲームの快適さを確かめるにはピッタリ。その結果はご覧の通りで、フルHD解像度でも「高品質」設定で“やや快適”を満たすスコアをマーク。「標準品質」に変えることで“快適”な水準に改善し、平均フレームレートも30fps前後まで向上していた。
なお、参考までにHD解像度に落としてみたところ、「高品質(ノート)」でも“とても快適”かつ平均フレームレート40fps前後で動作していた。描画品質や解像度を調整することで、中量級タイトルなら十分快適に遊ぶことができるようだ。