エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.912
2020.09.21 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影・pepe
「B550 Taichi」に付属のヒートシンク。サイズとしては標準的だが、「PG3VND」シリーズを十分に冷やすことができるのだろうか |
テストセッションの最後は「PG3VND」シリーズの発熱を確認していこう。テスト用のSSDには1TBモデル「CSSD-M2B1TPG3VND」を使用し、ヒートシンクなしの状態と、「B550 Taichi」に標準装備されるヒートシンクを搭載した場合で計測を実施。なお負荷テストは「CrystalDiskMark 7.0.0」(データサイズ16GiB/テスト回数9回/3回連続)、温度や転送速度の計測には「HWiNFO64」を使用した。
ヒートシンクなしの「CrystalDiskMark 7.0.0」の結果 | ヒートシンク装着時の「CrystalDiskMark 7.0.0」の結果 |
「ヒートシンクなし」の状態では、テストを開始するとともに一気に84℃まで温度が上昇する。その後はサーマルスロットリングによって速度を抑えることで、温度は75℃前後まで低下。再び84℃までは最高速度で動作し、84℃になるとサーマルスロットリングが発生するのを繰り返す。しかし「ヒートシンク装着時」は温度の上昇が緩やかになり、最高温度は74℃で頭打ち。サーマルスロットリングも完全に解消され、読込、書込とも最高速度を維持できるようになる。
ヒートシンクなし:アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンクなし:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
ヒートシンク装着時:アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンク装着時:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
またサーモグラフィの結果を確認すると、ヒートシンクのない状態ではアイドル時でも最高温度は58.7℃、高負荷時には90℃を超える箇所もあるなど、温度は非常に高い。マザーボードにヒートシンクが標準装備されていない場合は、製品寿命を伸ばす意味でも別途ヒートシンクは必ず用意したい。
人気PCI-Express4.0 SSD「PG3VNF」シリーズから、NANDフラッシュの提供メーカーのみ変更したマイナーチェンジモデル「PG3VND」シリーズ。圧縮率の低いランダムデータでは、シーケンシャル読込はほぼ同等、書込はやや優勢。ランダム書込はほぼ同等、読込は「PG3VNF」シリーズのほうがやや優勢で、若干傾向は異なるものの全体的には甲乙つけがたい結果になった。
そして圧縮率の高いデータについては「PG3VND」シリーズが強さを見せつけた。特に「CrystalDiskMark 7.0.0」では、全てのモデルがシーケンシャル読込5,500MB/secを超えるパフォーマンスを発揮。高圧縮率のデータを頻繁に扱うなら「PG3VNF」シリーズより間違いなくオススメできる。
また耐久性については、あくまでもカタログスペック上での話になるが、書込耐性、MTBFとも変化なし。製品保証も5年間で変わらないことから、大きな違いはないだろう。さらに価格についても同レベルに抑えられていることから、「PG3VNF」シリーズの代替として十分な実力を備えた製品であると結論づけて良さそうだ。
協力:CFD販売株式会社