XMP設定を適用する

今回取り上げるようなオーバークロックメモリを使用する場合、メモリを正しい製品仕様である「DDR4-3600」などの高い動作クロックで動作させるためには、マザーボードのUEFI上からの動作設定が必要となる。昨今のメモリには複数のプロファイルが保存されているが、多くの場合、初期状態ではマザーボードが自動的にJEDEC規格標準のSPDプロファイルを読み込むので、オーバークロックメモリとしてのプロファイルが保存されている「XMP」が適用されないためだ。無用な不具合を避けるための措置ではあるのだが、オーバークロックメモリの真価を発揮させるには、必ずXMPプロファイルを適用しよう。

「Trident Z Royale」（F4-3600C14D-16GTRGB）で、特に設定を行わずPCを起動して「CPU-Z 1.93.0」で情報を読み込んだ。SPDプロファイルが読み込まれているため、メモリはDDR4-2133で動作している

XMPはもともとIntelプラットフォーム向けの規格だが、AMD系プラットフォームを利用する際も、XMPを元にしたオーバークロック情報を読み込むことができる。ASUS製マザーボードでは「D.O.C.P」（DRAM OverClock Profiles）など、メーカーによって呼称が異なるものの、UEFIからワンクリックで適用が可能。なお、パーツ間の相性などによってはXMPを適用することでPCが不安定な状態になる可能性もある。XMPを適用することでうまく動作しなくなったという場合は、マザーボードのBIOS更新を試したり、選択できる動作クロックを少し下げてみるなどの工夫が必要だ。

UEFIから「D.O.C.P」を適用すると、DDR4-3600のプロファイルが読み込まれる

再び「CPU-Z 1.93.0」で「Trident Z Royal」の情報を取得。今度は正しくDDR4-3600が適用された