エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.915
2020.09.27 更新
文:/撮影・pepe
組み立てた液晶を目の前にすると、34型サイズ、1,500Rの曲面に包み込まれるような感覚になる。正面のベゼルは三辺が狭額縁仕様で、中央下部にGIGABYTEのロゴをあしらったデザイン。背面は上部をブラックのアクリルで覆い、左側にOSD制御用のスイッチ、右側に「G34WQC」ロゴと、その少し内側に防犯用のケンジントンロックを配置。まっすぐに伸びるアーム下部には、ケーブルマネジメント用のホールを備える。最近の「ゲーミング」を冠したデザインと比較するとその装飾はかなりシンプルだが、これこそが「G」シリーズの真骨頂とも言える。
シンプルなだけにそのサイズと曲面の存在感が際立つ |
OSD制御用のスイッチは電源ボタンと兼用 | OSD制御スイッチ側の液晶フレーム下部、電源LEDが唯一のLEDイルミネーションとなる |
背面右側には「G34WQC」のロゴとケンジントンロックが確認できる |
煩雑になりがちなケーブルをまとめるホール |
半径1,500mmの円周と同じ湾曲を意味する曲率1,500Rは、人間の視野に近く一般的な平面液晶よりも高い没入感を得られる構造だ。正面から撮影した画像では分かりにくいものの、実物を目の前にすると左右端が迫ってくるような感覚がある。曲面の恩恵を受けにくい画面サイズの小さな液晶とは異なり、大判の34型では受ける印象がまったく別物だ。
一見緩やかなカーブに見えるが、目の前にするとかなりの迫力がある |
角度調整機能は+20°~-5°の範囲で前後画面角度を調整するチルト角、アームのエレベータにより100mmの昇降を可能にする上下高さ調整を備える。シンプルなアームやスタンドは、コンセプトや価格に合わせた仕様になっているが、初めからモニターアーム等で柔軟な設置を検討しているユーザーにとってはむしろ好都合かもしれない。
前後画面角度を調整する+20°~-5°のチルト |
エレベータを利用した100mmの上下高さ調整機能 |
ここからは実際に電源を入れて映り具合を確認していこう。液晶パネルにはコントラストや応答性に優れるとされるVA方式が採用されている。IPS方式と比較すると視野角に対する変化に弱い印象だが、水平垂直共に178°で十分な視野角を持つ。
上下に傾けるとやや輝度とコントラストが低下する |
左右に傾けた際も、輝度とコントラストの低下を確認できる |
パネルが湾曲しているため、左右に傾けた際は左右端でその変化が大きくなるが、この角度で使用することはないため問題にならないと言っていい。色深度は8bit、色域はデジタルシネマ向けの広範囲色域であるDCI-P3を90%カバー、さらに一般的なデジタルデバイスで広く使用されるsRGBを120%カバーするほか、VESAのDisplayHDR規格である「DisplayHDR 400」に準拠する、350 cd/㎡の高輝度とVAパネル特有の3,000:1の高コントラストも相まって、正面からの映りはかなり品質が高い。