エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.916
2020.09.29 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「Premium-Line Z490FD-Mini」が採用するマザーボードは、Intel Z490チップを搭載したGIGABYTEのMini-ITXモデル「Z490I AORUS ULTRA」。一級品の機能を備えつつコストも控えめという売れ筋の製品で、ハイエンド向けのMini-ITXマザーボードとしては、市場でも実質これ一択と言っていいモデルだ。実際にカスタマイズメニューにも他の選択肢は用意されていない。
堅牢な電源回路やデュアルM.2、強力なネットワークを備えたZ490チップ搭載のMini-ITXマザーボード「Z490I AORUS ULTRA」 |
コンパクトながら「90A Smart Power Stage」を採用した8+1フェーズ構成の電源回路を搭載。ヒートパイプを巡らすなど冷却にこだわった設計で、2基備えるM.2スロットの片方には高効率ヒートシンク「Thermal Guard」が装備されている。
また、次世代CPUとの組み合わせでPCI-Express4.0に対応する拡張スロットと最大5,000MHz動作(OC)のメモリクロックは、いずれも装甲スロット(Ultra Durable PCIe Armor/Ultra Durable Memory Armor)仕様。ネットワークも2.5ギガビットLAN+Wi-Fi 6コンボの強力な構成だ。
USB3.2 Gen.2 Type-A/Cポートや2.5ギガビットLAN、Wi-Fi 6用アンテナなどが並ぶバックパネルインターフェイス |
「Z490I AORUS ULTRA」のメモリスロットはデュアルチャネル対応の2基で、評価機にはDDR4-3,200MHz動作のCrucial製メモリ16GB(8GB×2)が実装されていた。標準でメジャーチップを採用した8層基板のメモリが組み込まれる仕様で、チップレベルでのオーバークロックを避ける都合から、DDR4-2,933MHz設定で出荷される。
メジャーチップ採用8層基板のメモリを搭載。容量は最大32GB(16GB×2)までを組み込める |
裏配線スペースからアクセスできる、マザーボード背面にM.2 SSDが組み込まれていた |
ストレージは標準構成そのまま、Intel「SSD 660p」シリーズの512GBモデルが搭載されていた。注目すべきは、ヒートシンクの「Thermal Guard」を備えた表側ではなく、基板裏に実装されていたこと。NVMe SSDはコントローラ部がかなり発熱することが広く知られているワケだが、徹底してマザーボードエリアから熱を排除するコンセプトにより、あえてこうしたレイアウトが採用されたようだ。
ちなみにSSDの転送速度は、シーケンシャル読込1,500MB/sec、同書込1,000MB/sec、ランダム読込90,000 IOPS、同書込220,000 IOPS。QLC NANDを採用したコストパフォーマンスに優れたモデルで、市場でも人気が高い。
そのほか、Western Digitalの「WD Black」シリーズやSamsungの「970 EVO Plus」シリーズなど、いずれも売れ筋のSSDを選択可能。最大2TBの2.5インチSSDを“増設SSD”として追加することもできる。
コストパフォーマンスの高さで人気のPCI-Express3.0対応SSD、Intel「SSD 660p」シリーズ。標準構成で512GBモデルが組み込まれている |
なお評価機には、カスタマイズメニューにない3.5インチHDDが搭載されている。「Era ITX」は左サイドパネル側のシャシー上下に固定する「ドライブブラケット」を使用して、3.5インチHDD×1(2.5インチSSDなら最大2台)の搭載が可能。直接オーダーはできないものの、ユーザー側で大容量HDDを組み込む余裕がある点は覚えておきたい。
「ドライブブラケット」には大容量の3.5インチHDDもマウントできるが、BTOメニューにはラインナップされていない |