エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.918
2020.10.05 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
グラフィックス系ベンチマークのラストは、MMO RPGの最新アップデート版「ファイナルファンタジーXIV: 漆⿊のヴィランズ」公式ベンチマークテストで締めくくろう。なお今回は内蔵グラフィックスということを考慮して、解像度は1,920×1,080ドットに固定し、画質設定は「最高品質」「高品質(デスクトップPC)」「標準品質(デスクトップPC)」の3種類を選択した。
描画品質に関係なく2,666MHzから3,200MHzでは約14%、3,200MHzから3,600MHzでも約8%と大幅にスコアが上昇し、これまでのテストの中では最もメモリクロックの効果は大きい。また判定は3,600MHzであれば、「標準品質(デスクトップPC)」で”とても快適”、「最高品質」や「高品質(デスクトップPC)」でも”快適”の判定で、フルHD解像度までなら高画質設定でも快適にゲームを楽しむことができる。
ベンチマークテストのラストは消費電力を確認していこう。なお高負荷時は「CINEBENCH R20」と「3DMark:Fire Strike」実行時の最高値、アイドル時は起動直後10分間放置した際の数値を採用している。
アイドル時の消費電力は10W未満で、機能がシンプルな小型ベアボーンらしい素晴らしい結果。また高負荷時は「3DMark:Fire Strike Stress Test」で最高60.1W、「CINEBENCH R20」のマルチコアテストでは最高114.8Wを記録。ACアダプタの容量は120Wなので、定格であれば問題ないが、Ryzen 7 PRO 4750Gを使うならオーバークロックは控えた方がいいだろう。
Intel Coreシリーズと違い、APU以外の製品にはGPU機能が内蔵されていないAMD Ryzenシリーズ。一般的なマザーボードであれば、グラフィックスカードが搭載できるため大きな問題にならないが、PCI-Expressスロットを持たない「DeskMini A300」では、選択できるプロセッサは最高でも4コア/8スレッドまで。8コア/16スレッドまで対応する、Intel向け「DeskMini 310」に比べると大きな足かせになっていた。
しかし、Renoirに対応した「DeskMini X300」が登場したことで、最高8コア/16スレッドまで対応。加えて「Zen 2」アーキテクチャによるシングルスレッド性能の改善や、内蔵GPUであるRadeon Graphicsの高クロック化の恩恵もあり、総合的に見ればComet Lake-S対応の同時発売モデル「DeskMini H470」と比較しても確実にメリットがある。
Renoirの検証に使用した「X570 Taichi」と比較してもパフォーマンスは遜色なし。「DeskMini X300」とRyzen 7 PRO 4750Gを組み合わせれば、ハイエンドな超小型PCを構築できる |
またクアッドストレージや、ワイヤレス機能の増設など、拡張面については定評のあった従来モデルを踏襲。さらにPCケース、マザーボード、電源がセットになって税抜20,000円弱とコストパフォーマンスも優秀だ。超小型でも性能に妥協をしたくないなら、「DeskMini X300」とRenoirの組み合わせを選択しておけば間違いなしだ。
協力:ASRock Incorporation