エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.920
2020.10.11 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
続いては、エントリー向けながら「B460M Pro4」に標準装備されている、M.2ヒートシンク「M.2 Armor」の冷却性能を見ていこう。コントローラの発熱によるサーマルスロットリング問題から、性能重視なら手厚い冷却が欠かせないNVMe SSD。標準装備のヒートシンクはその役目を果たせているだろうか。
検証用のSSDには、PCI-Express3.0(x4)接続に対応するコストパフォーマンスモデルCFD「EG1VNE」シリーズの512GB(CSSD-M2M5GEG1VNE)を用意。「CrystalDiskMark 7.0.0」を3回連続で実行した際の挙動をチェックしよう。なお、テストのデータサイズは16GiBに固定、テスト回数は9回に設定した。
16GiB(MB/s) | 16GiB(IOPS) |
「CSSD-M2M5GEG1VNE」の公称スペックは、シーケンシャル読込2,000MB/sec、書込1,000MB/sec、ランダム読込95,000 IOPS、書込250,000 IOPS。PCI-Express3.0(x4)接続のSSDとしては十分な性能、実際のベンチマーク結果もランダム書込がやや伸び悩んだ以外は、公称値かそれ以上の数値を叩き出してくれた。
そしてサーマルスロットリングが発生すれば転送速度が目立って落ち込むところ、連続テストでもグラフの波形は極めて安定していた。コントローラの温度は最大でも45℃前後であり、発熱は完全に抑え込まれている。「M.2 Armor」はまったく申し分のない冷却性能を備えているようだ。
「B460M Pro4」の構成を眺めてみると、どのようなシステム構築を想定しているか、そのメッセージ性は明らかだ。オーバークロック非対応のチップセットながら、ガッチリとした安定動作を志向する強靭な電源回路。1スロット分のメタル拡張スロットとM.2ヒートシンクは、グラフィックスカードとNVMe SSDは単挿しで十分というコンセプトから。過剰な装備やチューニング要素を求めないエントリー・ミドルユーザーにとって、欲しい要素を揃えつつ信頼性に優れたマシンを組むために、ちょうどいい条件が詰め込まれている。
機能が省略されがちなエントリー向けチップ搭載モデルながら、メモリスロットの削減のような、引き算的要素はまったくなし。人気のIntelギガビットLANや高音質オーディオ回路を備え、Wi-Fi増設の余地もあったりと、全体的にツボを押さえた構成だ。
さらに非K型番CPUを対象とした、独自のブースト機能「ASRock BFB」も大いなる武器。2万円台のCore i5やそれ以下のCPUに実力以上の仕事をさせることが可能で、これは「B460M Pro4」が想定するシステム構成とも絶妙に重なる。ここへさらにミドル級グラフィックスを組み合わせれば、10万円前後で満足度の高いゲーミングマシンが出来上がるハズだ。
協力:ASRock Incorporation