エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.921
2020.10.13 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
ASUS「TUF-RTX3080-O10G-GAMING」 実勢価格103,000円前後(2020年10月現在) 製品情報(ASUS) |
「TUF-RTX3080-O10G-GAMING」は、価格とのバランスを考慮しつつコンポーネントにこだわることで、耐久性とコストパフォーマンスを両立した、ASUS「TUF GAMING」シリーズに属するグラフィックスカード。従来通り、基板上のチョークコイルやMOSFET、コンデンサには、軍用グレードの厳選した部材を採用する。
「TUF GAMING」シリーズにハイエンド帯のGPUが搭載されるのはこの世代が初めて。クーラーは3連ファンを採用し、カードサイズも大型化している |
ASUSのGeForce RTX 3080搭載製品のラインナップにはすでに発売済みの非オーバークロックモデル「TUF-RTX3080-10G-GAMING」があるが、今回取り上げる「TUF-RTX3080-O10G-GAMING」はGPUの動作クロックを引き上げたファクトリー・オーバークロック仕様のモデルとなる。ベースクロックは定格の1,440MHzで、ブーストクロックを定格より65MHz高い1,775MHzまで向上させており、さらにユーティリティを使用したOCも対応可能だ。クロックの上げ幅はそれほど大きくないものの、少しでも高い性能を目指すのであれば本製品を選択することになるだろう。一方の「TUF-RTX3080-10G-GAMING」は、同クラス製品と比較しても非常に安価な実売価格税込100,000円前後を実現。どちらを選ぶべきかは悩ましい。
また、従来のTUF GAMINGシリーズよりもハイエンドなGPUを搭載するようになったことで、カードが大型化しているのも特徴のひとつ。特にGeForce RTX 30シリーズのGPUを搭載するにあたり、オリジナルCPUクーラーに改良が加えられているのは注目すべき点だ。
ハイエンド製品にのみ搭載されるデュアルボールベアリング仕様の「Axial-techファン」を3基利用している |
中央ファンのみを逆回転させることで乱流を抑制。この世代からの新たな試みだ |
従来の「TUF GAMING」シリーズはスリーブベアリングファンを採用していたが、本製品は上位モデルと同じダブルボールベアリングを採用する「Axial-techファン」にアップグレードされている。また、3つのファンのうち中央ファンのみ回転方向を逆にし、乱流を抑える新たなコンセプトを採用。ハイエンドGPUを扱うにあたり、ファンまわりだけでも大きな変化があることが分かるだろう。なお、クーラーは低温時にファンの回転が止まるセミファンレス仕様だ。
ヒートスプレッダは従来通りの「MAX CONTACT」。ヒートシンクはVRAMに接触する部分のみ分離した設計で、VRAMの温度を低く保ちやすいとのこと |
加えて、ヒートシンクは前世代の「ROG STRIX」ブランド製品より15%大きい放熱面積を実現。ヒートスプレッダを平滑化してダイとの接触をよくする定番の「MaxContact」テクノロジーを採用するとともに、ヒートシンクはGPUダイ部分とVRAM部分を分離させることで、VRAMを低温に保ちやすくなるとしている。ちなみにカードサイズは長さ299.9mm、幅126.9mm、厚さ51.6mm。ほぼ全長300mm、2.7スロット厚の大型製品へと進化を遂げた。
製品パッケージ。何気ない違いだが、「TUF GAMING」のロゴが刷新されている |
映像出力端子はHDMI 2.1×2、DisplayPort1.4a×3で、最大4画面の出力に対応。接続インターフェイスはPCI-Express4.0(x16)、補助電源ピンは8Pinx2で、Founders Editionで話題になった12Pinの専用コネクタは使用しない設計だ。なお製造に関しては、ASUSの強みである完全自動化した「Auto-Extreme technology」を引き続き導入している。