エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.921
2020.10.13 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
セッションの最後に、システムの消費電力とGPU温度、グラフィックスカードのファン回転数をチェックしておこう。消費電力のテストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として、ワットチェッカーで計測を行った。
アイドル時の消費電力は約57Wと前世代から大きく変わらないが、高負荷時の電力最大値は457Wまで上昇する。また、「HWiNFO 64」でテスト中のGPU Powerを確認してみると、GPUだけで最大339Wを記録していることが確認できた。高性能化したぶん消費電力もワンランク上の高さになっているわけだが、公式サイトのスペック表には「Recommended PSU」の項目があり、容量850W以上の電源ユニットが推奨されている。少なくとも容量550W程度の電源ユニットではやや心もとないので、グラフィックスカードの乗せ換えを検討している場合、電源ユニットの確認も忘れないほうが賢明だろう。
続いて、「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」実行中のGPU温度、クーラーのファン回転数を見てみよう。モニタリングは「HWiNFO 64」で実施している。
テスト時の最大GPUクロックは「HWiNFO 64」読みで1,905MHzだったが、ベンチマーク中の温度は、終始おおむね60℃前後で安定していることが分かる。GPUクーラーのファンはベンチマーク実行前の状態ではセミファンレス動作により停止しているが、テスト開始時にFan1、Fan2ともに1,000rpm、最高時には1,850rpm前後まで回転数が上昇する。ちなみに動作時の騒音値は40dBを少し超える程度と、このクラスのGPUとしては及第点だろう。オリジナルGPUクーラーということもあって極めて性能が高く、冷却については全く心配する必要はない。
「TUF-RTX3080-O10G-GAMING」は、新型のトリプルファンGPUクーラーを採用し、GeForce RTX 3080のポテンシャルを余すところなく引き出しているグラフィックスカードだ。ハイエンド帯のGPU搭載カードとしては初めての投入となる「TUF GAMING」シリーズ製品だが、とりたてて不満に思える点もなく、なかなかどうして侮れないプロダクトに仕上がっていると言える。
オーバークロックモデルとしては手頃な「TUF-RTX3080-O10G-GAMING」。より安価な非OCモデルとどちらを選ぶべきかは悩みどころだが、せっかくのハイエンドモデル。高い動作クロックに魅力を感じるのであれば、本製品が有力な候補になりそうだ。
協力:ASUS JAPAN株式会社