エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.923
2020.10.23 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ウォーターブロックの搭載が前提のため、ヒートシンクが存在しない電源回路。なお、CPUソケットはLGA115x時代のクーラーを流用できるLGA1200だが、この製品に限ってはクーラーの件を考慮する必要はない |
ここからは、マザーボード本体の機能や装備を順番にチェックしていこう。まずは「MPG Z490 CARBON EK X」のトピックの一つでもある、12+1+1フェーズ構成の強力な電源周りだ。
基本的にCPUと同時にVRMモジュールもウォーターブロックによって冷却されることから、電源回路にはヒートシンクが搭載されていない。一般的な空冷仕様とは異なり、かなりのクリアランスが確保されている点が印象的だ。
I/Oカバーを取り外し、よりスッキリした状態で電源周りをチェック。大規模な電源回路を搭載しながら、広々としたクリアランスが確保されている |
ハイサイド/ローサイドMOSFETとドライバICを1チップに統合したDr.MOSを採用するほか、長寿命な個体コンデンサなど高品質コンポーネントで構成。7フェーズ対応のデジタルPWMコントローラとフェーズダブラーにより、合計14フェーズ制御を実現している。
また、高速かつ歪みのない電流供給を可能にする独自のレイアウト「Core Boost technology」を採用。そこへ8pin+4pin構成の2系統補助電源により大電力を供給する仕様で、オーバークロック性能にも期待できる。
CPUパワー(12)+SAパワー(1)+GTパワー(1)で合計14フェーズを構成する電源回路。Dr.MOS仕様のMOSFETが採用されている |
PWMコントローラは、最大7フェーズをサポートする「RAA229001」を実装。フェーズダブラーを用いて合計14フェーズを制御している |
高品質の6層PCBを採用。電源回路の裏側には、フェーズダブラーが実装されているのが分かる |
「MPG Z490 CARBON EK X」が搭載するチップセットは、第10世代Intel Coreプロセッサに対応するハイエンドチップの「Intel Z490」だ。Intel Z390同様にオーバークロックやPCI-Expressのレーン分割が可能なほか、メモリクロックのサポートが最大2,933MHzに引き上げられているなど、順当に性能が強化されている。2.5ギガビットLANやWi-Fi 6への対応など、ネットワーク機能の強化もトピックだ。
Intel Z390の後継にあたるハイエンド向けチップ「Intel Z490」。基本性能は同等ながら、2.5ギガビット有線LANやWi-Fi 6のサポートなどが追加されている |
モデル名である「CARBON EK X」の文字をあしらったチップセットヒートシンク。コンセプトを体現するカーボン調のデザインが採用されている |
3箇所でPCBにネジ留め、サーマルパッドでチップに接している。チップセット周辺のかなり広い面積をカバーするヒートシンクだ |