エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.924
2020.10.25 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
Intel「Core i7-10700K」 実勢価格45,000円前後(2020年10月現在) 製品情報(Intel Corporation) |
8コア16スレッドのハイエンドCPUとして、BTOメーカーのゲーミングPCなどでも採用例が多い「Core i7-10700K」。ブースト時最大で5GHzを超える動作クロックの高さが特徴のCPUだ |
「CPU-Z」で取得した「Core i7-10700K」の情報。全コア動作時の最大動作クロックは4.7GHz前後 |
この記事における「Core i7-10700K」の性能検証は、AMDの「Ryzen 7 3800XT」との性能比較をベースに実施していく。「Ryzen 7 3800XT」の実勢価格は51,400円前後(2020年10月現在)と、「Core i7-10700K」よりも若干高価だが、どちらも8コア/16スレッド動作のCPUで、ミドル~ハイエンドクラスのゲーミングPCでの採用例が多い。
比較対象として、同じ8コア/16スレッドの「Ryzen 7 3800XT」を用意 | 「CPU-Z」で取得した「Ryzen 7 3800XT」の情報。こちらは全コア動作時の動作クロックが最大4.5GHz前後 |
IntelプラットフォームとAMDプラットフォームという見方をした場合、特にポイントとなるのは、PCI-Express4.0接続への対応の有無だ。GeForce RTX 30シリーズはNVIDIA製のGPUとして初めてPCI-Express4.0(x16)接続に対応しているが、現時点で同じようにPCI-Express4.0(x16)接続をサポートするのは、第3世代RyzenとAMD X570/B550チップセット搭載マザーボードなどAMDプラットフォームのみ。IntelプラットフォームでGeForce RTX 30シリーズを利用する場合、GPUとの接続はPCI-Express3.0(x16)となる。PCI-Express3.0(x16)接続でもゲームにおいては帯域的には問題はないと言われているが、実際に性能が下がったりしないか不安だというユーザーもいるだろう。
左が「Core i7-10700K」、右が「Ryzen 7 3800XT」と組み合わせた際の「GeForce RTX 3080」の情報(どちらも「GPU-Z」で取得)。「Ryzen 7 3800XT」との組み合わせではバスインターフェイスがPCI-Express4.0接続となっていることが分かる |
一方、“動作クロックが高いIntel CPUはゲームで有利”という言説は、PCユーザーの間で広く知られている。実際に今回比較する2つのCPUでも動作クロックには差があり、「Core i7-10700K」は定格3.8GHz・ブースト時5.1GHz動作、「Ryzen 7 3800XT」は定格3.9GHz・ブースト時4.7GHz動作となる。さらに全コア動作時のクロックは、「Core i7-10700K」が実測値で最大4.7GHz前後、「Ryzen 7 3800XT」が最大4.5GHz前後だ。コア数やスレッド数、動作クロックだけがCPUの性能を決める指標ではないが、筆者が知る限り、これまでは実際にIntel CPUがゲームで高いフレームレートを出しやすいケースが多かった。
要するに、果たしてPCI-Express4.0(x16)接続に対応する「GeForce RTX 3080」と組み合わせた場合でもIntel CPUはその実力を引き出すことができるのか、という点が問題になるわけだ。そこで、今回はなるべくCPU・マザーボード以外の計測条件を揃えた上で、各種ゲーム系ベンチマークによる性能比較を実施した。
AMDプラットフォームで使用したマザーボードは、ASUS「ROG Strix X570-F GAMING」。第3世代Ryzenとの組み合わせでは、PCI-Express4.0接続をサポートする |
計測にあたり採用したGeForce RTX 3080搭載グラフィックスカードは、以前詳細検証をお届けしたASUS「TUF-RTX3080-O10G-GAMING」で、GPUドライバは最新の「456.71」。マザーボードは、IntelプラットフォームがASUS「PRIME Z490-A」、AMDプラットフォームが「ROG Strix X570-F GAMING」。なお「PRIME Z490-A」の場合、初回起動時にCPU Power Limit(PL)の範囲を選択する必要があるが、ここではPL1が定格の125Wとなる設定を採用している。
メモリはネイティブでDDR-3200動作する製品を使用。IntelプラットフォームでもDDR4-3200で動作させ、起動やベンチマーク中でも動作に問題がないことを確認している |
また、「Core i7-10700K」と「Ryzen 7 3800XT」では正式サポートするメモリクロックが異なるものの、メモリはDDR4-3200(ネイティブ)動作の製品を使用し、どちらのプラットフォームでもメモリクロックをDDR4-3200に設定して検証した。