エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.926
2020.10.30 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ここからはパッケージより本体を取り出し、「S100 TG Snow Edition」の外観デザインからチェックを開始する。ちなみに検証機がホワイトなのは、代理店である株式会社アスク・担当者の”推し”だから。実のところ筆者はブラックが気になっていたが、実機を目の当たりにすると、なるほどホワイトも悪くない。
その理由は、ありがちな光沢ホワイトのチープさは微塵もなく、落ちついたマット塗装は高級感すら漂わせている。近頃の自作PC市場は、ホワイト色の筐体やパーツがにわかにブーム。ブラックにちょっと飽きてきた感があり、「S100 TS」シリーズも人気を二分する事になるだろう。
PCケースの顔となるフロントパネル。「S100 TG Snow Edition」は流行に左右されない、フラットデザインが採用されている。正面にあるのは下部のロゴのみで装飾物はなく、視覚効果に頼らないシンプルな作りが特徴。素材はスチールで、上下エッジ部の約90°曲げ加工による曲線が質感を高めている。さらに左右には通気孔を設け、いわゆる”窒息系”を回避。密閉型デザインながら、通気性も確保できている。
この手のPCケースとしては珍しく、自由な成形が得意なプラスチック(ABS樹脂)ではなく、敢えてスチール素材を採用。手垢などの汚れが付着しにくいマット塗装により、白の発色も美しい |
フロントパネルは左右合計6本のピン(ファスナー)で固定されている。取り外し方法は、フロントパネル下部を握り、手前側にグッと力を入れて引くだけ。一気に引き剥がすと破損などのトラブルにつながるため、あらかじめ手前に引く範囲を短めにシミュレーションしておくといいだろう。初回はやや固いため、自動車の内張りを剥がすヘラなどの工具があると便利だ。なお、フロントパネル側にケーブル類等の配線はなく、断線の心配はいらない。
スチール製フロントパネルの裏側には、プラスチック製のピン(ファスナー)が固定されていた |
各種スイッチおよび外部アクセスポートは、フロント寄りトップパネル部にレイアウトされている。正面から右端にある正方形のボタンはPowerスイッチで、左隣の円形ボタンはResetスイッチ。間に挟まるように内蔵されたLEDは上が青色PowerLEDで、下が赤色アクセスLEDとなる。そして左端からマイク端子、ヘッドホン端子が並び、USB2.0ポートが2口、USB3.0ポートが1口装備されている。
機能性を重視したアクセスポート。背面基板も最低限で、久し振りにイルミネーションの装飾が無いPCケースに触れると、シンプルな配線が思いのほか新鮮に感じてしまう |
スノーホワイト色が美しい「S100 TG Snow Edition」だが、トップパネルにはブラック色の大判防塵フィルタが装着されている。ここを白にすべきという意見もあるかもしれないが、相性のいい色同士のコントラストは、思いの外悪くない。マグネット固定式の防塵フィルタを外すと、ハニカム状の通気孔が露わになる。増設ファンやラジエターについては、後ほど詳しく解説しよう。
各種スイッチおよび外部アクセスポートの後方は、ほぼ通気孔仕様のトップパネル。防塵フィルタ(実測幅約185mm、奥行き約295mm)を外すと、冷却ファン増設用のネジ穴(スリット)が複数確認できる。ミニタワーではあるものの、通気性は十分に確保できているようだ |