エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.926
2020.10.30 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
フロントパネルのフラットデザインから、密閉・窒息型PCケースに見える「S100 TG Snow Edition」。実際には要所に通気孔を設け、限られた内部容積のミニタワーらしからぬ、冷却ファン搭載スペースが確保されている。ここからは全搭載ポイントを個別にチェックしていく。
フラットデザインにより正面は密閉状態のフロント部。しかし両側面には外気を取り入れるには十分な通気孔が設けられている。スチール製フロントパネルを取り外すと、シャーシ側前面には冷却ファン固定用スリットが設けられており、120mmまたは140mmファンが最大2基増設できる。構成パーツによっては増設せずに運用できるだろうが、できればフレッシュな外気を常時取り入れる環境にしておきたい。なおラジエターは、240mmまたは280mmサイズまで搭載できるよう、設計段階よりクリアランスが確保されている。
シャーシ前面に設けられた120/140mmファン増設用のスリット。固定位置の微調整ができる |
密閉型デザインから懸念される通気性だが、両側面の上から下まで通気孔が設けられている | ラジエター搭載を想定し、ボトムカバーは前面より約60mm(幅約160mm)カットされていた |
ほぼ全面をハニカム状の通気孔仕様としたトップパネル。表面にはマグネット固定式防塵フィルタを備えるだけあって、冷却ファンおよびラジエターが増設できる。
冷却ファンは120/140mmが最大2基、または200mm大口径ファン1基が搭載できるネジ穴が用意されている。決して選択肢が豊富とは言えない200mmファンだが、低速・低騒音でありながら大風量を生み出すメリットがある。ミニタワーでありながら、幅220mmはミドルタワークラスと同等。外形寸法を最大限に活用している設計思想がみてとれる箇所と言えよう。
ラジエターはフロント部同様、240mmまたは280mmサイズが搭載可能。内部容積からDIY水冷構築は厳しいものの、オールインワン型水冷ユニットを搭載する場合は、この面を活用する事になるだろう。
背面には25mm厚の120mmファンを標準装備。熱源となるCPUソケットおよび電源回路周辺の排熱を行う、重要なポジションを担う。スペック表によると、回転数は1,000rpmの固定で、騒音値は16dBA。実際に動作させてみたところ、排気ファンとしての役割を十分に果たすであろう風量と、決して耳障りではない動作音だった。
なお120mmサイズラジエターへの換装にも対応。最もベーシックなオールインワン型水冷ユニットを組み込む場合、このスペースを利用する事になるだろう。
非発光タイプの汎用ケースファン。中央にTtのラベルを貼り付け、7枚のインペラで排出を行う。よく見るとネジ穴は合計5個で、ラジエター換装時に搭載位置の微調整ができるようになっている。ちなみに標準搭載ファンのコネクタは3pinで、ケーブル長は実測で約500mmだった |