エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.926
2020.10.30 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ここまで「S100 TG Snow Edition」の内外装をくまなく見てきたが、どのような印象を持たれただろうか。売価を感じさせない作りは、決して奇をてらわない”イマドキのベーシック”である事が分かった。最終セッションでは実際に構成パーツを組み上げ、組み込み易さ・組み込みにくさ、さらに組み込み後の周辺クリアランスなど、より詳細に解説していこう。
まずはマザーボードを組み込んでみよう。搭載テストにはMSI「MAG B550M MORTAR WIFI」を用意。MicroATX規格(244x244mm)のAMD B550チップ搭載モデルだ。
予め固定されているスタンドオフに、付属ネジ「Screw M3 x 5mm」で固定。周辺クリアランスを計測してみると、トップパネルまで約55mm、右手フロントパネルまで約100mmの空きスペースが確保できている。ミニタワーの限られた内部容積だが、当然マザーボードサイズも小ぶりだけに、上方向・右方向のクリアランスは十分と言えるだろう。
次にCPUクーラーの有効スペースを計測する。公称値は最大165mmだが、レーザー距離計で内部を正確に計測したところ、デジタル表示は183mmだった。とかくメーカー表記はまちまちで、公称値通りだったり、マージンをとって控え目に表示されている事もある。多少のズレからはやや逸脱した結果だが、CPUクーラーを選ぶ際は公称値に合わせておけば間違いない。
CPU上空をレーザー距離計で計測。同時にCPUクーラーメンテナンスホールのカットサイズを測ったところ、幅約175mm、高さ約140mmだった |
正確なシェアは把握していないが、今や空冷を圧倒する勢いの水冷クーラー。なかでもオールインワン型水冷ユニットは扱いやすく、導入しやすい価格のモデルも多い。ラジエター搭載スペースさえ確保できれば、ポンプ一体型ウォーターブロックは限られたスペースで設置ができる上に、高い冷却能力を得る事ができる。小型筐体には最適な冷却システムと言えるだろう。
搭載テストには240mmサイズラジエターを備えるThermaltake「TH240 ARGB Sync」(型番:CL-W286-PL12SW-A)を用意した。国内市場では2020年9月より販売が開始されたオールインワン型水冷ユニット。高静圧タイプのアドレサブルRGBファンを備え、光のドレスアップ要素と冷却性能を両立させた最新モデルだ。他にも120mmサイズラジエターの「TH120 ARGB Sync」(型番:CL-W285-PL12SW-A)と360mmサイズラジエターの「TH360 ARGB Sync」(型番:CL-W300-PL12SW-A)がラインナップ。用途に合わせてチョイスしたい。
240mmサイズラジエターがピッタリ入るトップパネル。懸念されるリアファンとの物理的な干渉もなく、ストレス無く収められている事が分かる。距離が近いだけに、フロントパネル部にラジエターを設置しても、チューブは届きそうだ |
ミニタワーとは言え、ATX規格の電源ユニットが搭載可能。ボトムカバー右側面の開口部よりインストールし、背面4箇所をインチネジで固定する。搭載テストにはThermaltake「TOUGHPOWER PF1 ARGB PLATINUM 1050W」(型番:PS-TPD-1050F3FAPJ-1)を用意した。2019年7月より国内市場での販売がスタート。80PLUS PLATINUM認証の高効率電源ユニットで、国内10年長期新品交換保証は、信頼性の高さの証と言えよう。またイマドキの製品らしく、140mmアドレサブルRGBファンに加え、側面のロゴも鮮やかに発光する「ARGB Side Panel」を搭載。なお奥行きは180mmで、有効スペースの160mmから20mmオーバーしている。同一ブランドで手持ちの製品が無かったため、やや乱暴だが搭載してみることにした。
ボトムカバー左側面には小窓を用意(実測幅110mm、高さ70mm)。強化ガラス越しに電源ユニットの銘柄がアピールできる。特に「TOUGHPOWER PF1 ARGB PLATINUM 1050W」はイルミネーション機能を備えるため、より存在感は高まること請け合い |
電源ユニット本体はマウントできても、隣接するシャドウベイユニットとコネクタ/ケーブルが干渉する。20mmオーバーだけに当然だが、もしハイエンドクラスの電源ユニットを搭載するなら、シャドウベイユニットを犠牲にするという手も無くはない |