エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.926
2020.10.30 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
次はグラフィックスカードだ。搭載テストには手持ちのMSI「GeForce RTX 2060 GAMING Z 6G」を使用。奥行き247mmで2スロット占有デザインの「TWIN FORZR 7」搭載モデルだ。ミニタワーと言いつつ、長さ330mmまでのグラフィックスカードが搭載できるとあって、装着後の空きスペースは十分に確保できている。もちろん最新のGeForce RTX 30シリーズも選択肢に加える事は可能。ATXに遜色ないパワフルなPCが構築できる。
搭載テストにこのモデルを選んだのは、MicroATX規格の横幅とほぼ同じ長さだから。それほどこだわるところではいが、ピシッと収まりがいい事は確か。ひとり満足する筆者であった |
拡張スロット部を見ると、MicroATX規格のミニタワー筐体である事に気が付く。見た目では、小型筐体ならではの窮屈さは一切感じない |
最後にストレージの搭載方法をチェックしておこう。現在市販されているPCケースの多くがそうであるように、空きスペースを上手に活用し、任意のポジションにストレージが搭載できるよう設計されている。
マザーボードトレイ背面のCPUクーラーメンテナンスホール下。2つの備え付けブラケットに、SSDを底面からネジ留め。コネクタは左方向に設置する事になる |
2つのブラケットは、ボトムカバーの天板に移設が可能。強化ガラスから銘柄が露出できる | SSDは底面より4本の「Screw M3 x 5mm」でネジ留め。シャーシへの固定にはハンドスクリューが採用されている |
ボトムカバー内のシャドウベイユニットは、専用トレイと天板の2箇所が搭載エリア。コネクタはいずれも左側面に向けて固定すると、ケーブルがスムーズに配線できる |
専用トレイとシャドウベイユニット天板の搭載例。最大2台の搭載スペースに、任意の構成で運用ができる。限られたスペースだが、有効に活用したい |
イルミネーション機能非搭載のシンプルなところに好感を持ちつつ、結局組み込みセッションではイマドキの魅せるPCが完成。少々反省しつつ、”光るも良し・光らぬも良し”の万能ベース筐体としての佳作である点は、十分お伝えできたのではないだろうか。
ATX規格に比べ拡張性で劣るMicroATX規格だが、将来的または初めからマルチグラフィックス構成は想定しておらず、バリバリのDIY水冷を組み込まなければ、これで十分ではないだろうか。少なくとも稼働中にミニタワーである事の不便さを意識させられることは無い。
パッケージとしてみた場合、自社ATX規格筐体の高さだけを仕立て直したような設計だが、見た目のバランスはいい。工作精度も悪くなかった。搭載するか否かは別として、オールインワン型水冷ユニットの台頭はこの手の小型筐体の設計を良い方向に変えた。それなりにスペースが必要なラジエター搭載用空間の確保が必須になってから、クリアランスを広くとる傾向にある。それは組み込み易さにも大きく影響している。
税込6,000円台前半で購入できる筐体としては、買い得感が高い製品である事は間違いない。もしかすると構成パーツの中では最も安価になるのではないだろうか。このアンバランスさがロングセラーになる原動力になるかもしれない。
協力:Thermaltake Technology
株式会社アスク