エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.928
2020.11.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
各種ベンチマークテストを終えたところで、その最中における「GV-N3080GAMING OC-10GD」の挙動をチェックしておきたい。重量級ゲームに匹敵する高負荷がかかった環境にて、発熱や消費電力はどの程度まで上がっていたのだろうか。
なお検証に際して、最高レベルの負荷がかかる3D系のストレステスト「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を実行している。
まず発熱をチェックすると、認識している2系統のファンはそれぞれ高負荷時に2,183~2,333rpmまで回転数が上昇。静音動作を重視した設計のためほとんど風切り音は聞こえてこないものの、GPU温度は最大73℃に抑え込まれている。ファン稼働率は80%前後とまだ余裕を残しており、ユーザーによるさらなるチューニングも不可能ではない。
また、完全にファンが停止するアイドル時でも41℃と、「WINDFORCE 3X」クーラーには見た目通りの冷却性能を備えているようだ。カードへの負担を心配してファンレスを忌避する必要はないように思える。
高負荷時のサーモグラフィ。効率的に放熱され、特にスルー構造のヒートシンク先端はかなり温度が低下。その一方で受熱部を中心としたエリアの発熱が上がっていることが分かる。 |
アイドル時のサーモグラフィ。ファンが停止しているため、全体的にうっすらと発熱しているのが確認できる |
最後にシステムの消費電力をチェックしておこう。ハイエンド環境ながらアイドル時はやや90Wを超えるくらい、高負荷時は最大503Wまで上昇していた。TDP105WのCPUとTGP320Wのグラフィックスカードを組み合わせたシステムとしては、十分に許容範囲内と言える。NVIDIAによるGeForce RTX 3080の推奨システム電源は750Wだが、まさにその範囲で問題なく動作が可能だ。
いよいよ本格的に4Kプレイを検討したくなる、圧倒的なパフォーマンス。この頃市民権を確立しつつある、高リフレッシュレートのゲーミング液晶をリッチな描画品質で楽しむこともできる。ゲーマー待望の性能を引っさげ登場し、いまだ品薄が続くGeForce RTX 3080の実力は、かなり魅力的だ。
レイトレーシングやDLSSといった機能の裾野も広がりつつあり、そうした状況も購入のモチベーションを高めてくれる。それだけにコストパフォーマンスも考慮した、ハズレのないチョイスをしたいところ。
どのメーカーも粒ぞろいなラインナップを投入してきた中で、歴代評価が高い「WINDFORCE 3X」を搭載した「GV-N3080GAMING OC-10GD」は、やはり注目したい製品の筆頭格だ。超大型の銅製ベースや考え抜かれた3連ファンの連携、迫力のヒートシンクを組み合わせた性能は、期待通りのものだった。
標準でチューニングが施され、パフォーマンスは十分。そのまま運用してもよく、カードの信頼性をテコにワンランク上の性能を狙ってもいい。ラインナップのド真ん中なだけはあり、ユーザーによる扱いの幅が広い、GeForce RTX 3080搭載モデルの秀作と言える。
協力:日本ギガバイト株式会社