エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.931
2020.11.12 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
次に冷却ファンレイアウトについて、個別に解説していこう。まずフロントのメッシュパネル内部には、140mmファンが2基標準で装備されている。良好な通気性を最大限に活用し、口径の大きな冷却ファンで静かに大量の外気を取り込む事ができる。なお、この箇所には120mmファン換装用の固定用スリット(ネジ穴)も備え、140mmファン共に最大3基が搭載可能。ラジエターは120/140/240/280/360mmの各サイズが搭載できる。
標準装備ファン「Dynamic X2 GP-14」は、回転数1,000rpmの固定タイプで、騒音値18.9dBA、風量68.4CFM、静圧0.71mmH2Oで、軸受けはHigh-grade LLS (Long Life Sleeve)を採用。MTBFは100,000時間とされる |
120/140mmファン共に最大3基まで搭載が可能。3基目(最下段)のファン、または240mmサイズ以上のラジエターを搭載するには、ボトムカバー上の「シュラウドインレー」を1枚取り外す必要がある |
トップパネル部には120/140mmファンが最大3基、ラジエターは120/140/240/280/360/420mmサイズが搭載できる。ちなみに「Meshify 2」は、幅サイズ制限がありつつもE-ATX規格に対応する中~大型筐体。オールインワン型水冷ユニットを導入する場合、チューブ長が足りなくなる可能性があるため、ラジエターは必然的にフロント面ではなく、トップパネル部に固定することになるだろう。
トップパネル部のブラケットには、120mmと140mmファンに対応する2本のネジ穴を用意。スリットタイプにすることで、固定位置が調節できる |
ブラケット右サイドパネル側には、φ25.4mmの「Water Cooling Fillport」を装備。DIY水冷ユーザーを想定した設計が見てとれる |
リア部にもフロント部と同じ140mmファンが1基装備されている。少し詳しく確認しておくと、「Dynamic X2 GP-14」は単体発売もされているカタログモデルで、25mm厚の7枚インペラ仕様。比較的オーソドックスな羽形状で、1,000rpmの低速で68.4CFMの大風量を得ることができる。また、スリーブベアリングの一種「High-grade LLS」は耐久性が高く、ケースファンとして同社製PCケースでの採用例も多い。なお、リア部には120mmファン換装用のスリット(ネジ穴)を備え、ラジエターは120mmサイズのみが搭載可能。周辺クリアランスの関係上、140mmサイズはサポート外である事を覚えておこう。
ボトム面の防塵フィルタを取り外すと、通気孔の両サイドにスリット(ネジ穴)が設けられている事が確認できる。ここには120mmまたは140mmファンが最大2基増設が可能。ラジエターも120/140/240/280mmサイズが搭載できるようになっている。とは言え、ここはボトムカバー内部にあたり、ケージタイプのシャドウベイユニットや、電源ユニットの設置面でもある。それぞれと折り合いを付けて共存する事は不可能で、シャドウベイユニットはどうしても犠牲にならざるを得ない。通常運用では手を出す必要が無い箇所であり、よほどの事が無い限り利用される確率は低いだろう。
マザーボードトレイ背面の中央上部に固定されている基板が「Nexus+2 Fan Hub」だ。兄貴分「Define 7」にも標準で装備されるPWMファンハブは、拡張性が高いが故に複雑化する、ファンコネクタを集約させたもの。4pin PWMファン用コネクタを3口、3pinファン用コネクタを6口備え、SATA電源コネクタ1本で給電を行う。マザーボード上の点在するコネクタを極力消費せず、理想的なケーブルマネジメントが構築できるというワケだ。なお資料によると、最大電流は2.6A、最大消費電力は30Wとされる。