エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.931
2020.11.12 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
最後のセッションでは、実際の構成パーツを「Meshify 2」に組み込み、作業における注意点やポイント、装着後の周辺クリアランスの計測など、より詳細に解説していく。なお今回の評価サンプルは、左サイドパネルが塞がれた状態の「Meshify 2 Black Solid」だけに、煌びやかに発光するRGB LEDイルミネーションは敢えて意識していない。とは言え、発光しないパーツを探す事は今日日難しく、多くの場合”発光するが消灯で運用”になる。なお紹介する組み込み手順は、ユーザーマニュアルの記述や一般的セオリーからは多少異なる点がある。予めご了承頂こう。
まずはマザーボードを搭載してみよう。用意したのはATX規格(305x244mm)のGIGABYTE「X570 AORUS MASTER」で、マザーボードトレイ上に予め装着済みのスタンドオフ中、中央のピンを基板の穴に合わせ、「Mounting Screw (6-32)」でネジ留めしていく。出荷時の「オープンレイアウト」で組み込む場合、開口部が広いため作業は実にしやすい。
搭載後の周辺クリアランスは、基板上端からトップパネルまでが実測で約30mm、右端からフロント標準装備の120mmファンまでが実測で約205mmだった。特に右方向の空きスペースは十分で、さすがに「ストレージレイアウト」に変更できるだけの余裕がある。
次に公称は185mmとされるCPUクーラーの有効スペースを実測してみよう。評価サンプルの左サイドパネルはソリッドタイプとあって、今回は赤いリボンを側面に見立て、レーザー距離計でCPU上空を計測してみた。結果は190mmを表示し、公称値はクリアできている事を確認した。さらに背面からCPUクーラーメンテナンスホールの開口部を確認すると、幅約135mm、高さ約160mmだった。
実際にはサイドパネル部の厚さは考慮する必要があるものの、公称値は難なくクリア | 中~大型クラスの筐体としてはやや控え目なCPUクーラーメンテナンスホール |
ボトムカバー内、シャーシ後方底面に電源ユニットを固定する。搭載テストに使用したのは、以前詳細検証をお届けした80PLUS PLATINUM認証のFractal Design「Ion+ Platinum 860W」(型番:FD-PSU-IONP-860P-BK)で、外形寸法は幅150mm、奥行き150mm、高さ86mm。フルモジュラータイプで、高効率タイプゆえコンパクトに仕上げられている。
搭載方法は、2本のハンドスクリューで固定されている外枠を一旦外し、これに電源ユニットを付属のインチネジで固定。外枠ごと元の位置に戻せば作業は完了する。前後のストロークで所定の位置に収める固定方法は、モジュラータイプの電源ユニットにとって相性がいい。特にケーブルの増設時は、サイドからの出し入れに比べ、前後の動きはケーブル自体にストレスが掛かりにくく、なによりコネクタが挿しやすい。必要な位置まで電源ユニットをずらせば事が済むため、ロングタイプの電源ユニットも扱い易いだろう。
奥行き150mmの「Ion+ Platinum 860W」を固定したところ、シャドウベイユニット(出荷時状態)までは約155mmまでの空間が確保できた |
ちなみにマニュアルによると、シャドウベイユニット(HDDケージ)がデフォルトのポジションに固定されている場合、電源ユニットの有効スペースは250mmまでの記載がある。同一フロアを分け合う関係にあるため、ユーザー側で構成パーツ同士の折り合いをつけよう。