エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.936
2020.11.25 更新
文:松野 将太/撮影:pepe
MSI「IMMERSE GH61」 実勢価格13,000円前後(2020年11月現在) 製品情報(Micro-Star International) |
パッケージにある「ONKYO SPEAKERS INSTALLED」のロゴの通り、オンキヨー製40mmネオジムドライバーを採用 |
ハイレゾ音源の再生や7.1chバーチャルサラウンドに対応する「IMMERSE GH61」だが、その最たる特徴は、音質を大きく左右するドライバーユニットにオンキヨーが開発・設計した40mmネオジムドライバーを採用する点だろう。MSIの担当者によれば、「高音域、中音域、低音域のバランスを志向する中で、様々なOEMメーカー提供製品をテストしたが、「オンキヨーのチューニングがもっとも理想とする基準に合致していた」ことが採用の決め手になったとのこと。ユニットの周波数特性は20~40,000Hz、インピーダンスは32Ω、出力音圧レベルは107dBで、ハイレゾ対応をうたう製品らしく広帯域の再生を特徴とする。
ハイレゾ対応であり、20~40,000Hzの広帯域再生が可能 |
さらに、オーディオシーンでは定評のあるESS Technology製「Sabre」シリーズのDACと同社製アンプを標準搭載。これによりS/N比とダイナミックレンジを向上させ、THD+N(全高調波歪+ノイズ)を低減するなど、総合的に音質を向上させている。ちなみに本製品はUSB接続と3.5mmステレオミニプラグ接続の両方に対応しているが、DACはコントロールボックスによるUSB接続時しか利用できない仕様だ。
サウンドユーティリティ「Nahimic」によるイコライジングとバーチャルサラウンドに対応。USB接続の場合、非使用時とは音質がかなり変わるため、必ず導入することをすすめたい |
また、MSI製品ではすっかりおなじみになりつつあるサウンドユーティリティ「Nahimic」と併用することで、USB接続時にソフトウェア上からのイコライジングや音質の最適化、後述するブームマイクのノイズ抑制、7.1chバーチャルサラウンドなどに対応。これが本製品のキモとも言えるが、ゲームプレイや映画の視聴、音楽再生といった用途にあわせてプリセットを選択することで簡単にサウンドを調整できる。サラウンドはコンテンツとの相性も大きいが、特にゲーム体験においては有用な場面も多く、臨場感の向上などに寄与するだろう。
マイクは収納式で、コントロールボックスによる手元からのミュートも可能 |
もちろんヘッドセットであるため、マイクも利用できる。搭載するブームマイクは単一指向タイプで、周波数特性は100~10,000Hz、インピーダンスは2.2kΩ、マイク感度は-38dB。格納式であり、使用していない場合はイヤーカップ内に収納しておけるなど、利便性は高め。
製品の実勢価格は13,000円前後。上を見るとキリがないオーディオ系製品ではあるが、近年はゲーミングヘッドセットの全体的な品質向上が著しく、特に性能・機能ともに充実している10,000円台の製品は人気だ。本製品もその例に漏れず、カジュアルゲーマーからコアゲ-マーまで幅広い層に受け入れられるだけの手堅いスペックは備えていると言えるだろう。