エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.940
2020.12.06 更新
文:藤田 忠/撮影:松枝 清顕
Intel「NUC 9 Extreme Kit」(型番:NUC9i9QNX) 実勢価格179,000円前後(2020年12月現在) 製品情報(Intel) |
約110×110mmという手のひらサイズを実現し、”極小PC”というジャンルを作ったIntel小型PCファームファクター「NUC(Next Unit of Computing)」。目的に合わせてメモリ、ストレージ、OSを組み合わせて、PCを作り上げる楽しみはそのままに、誰でも小型PCを組めるとあって、2013年の初登場時から小型PCベアボーンの鉄板となった。そして、CPUの世代を重ねるごとに進化を続け、「Intel NUC 9 Extreme Kit」では、全長202mmまでのグラフィックスカードの増設に対応。超小型ゲーミングPCを組むことも可能になっている。
グラフィックスカードを搭載できる「NUC 9 Extreme Kit」。2基の拡張スロットが備わっている |
大御所Intelとは言え、さすがにこれまでにない拡張性を備えた新設計のNUC 9の開発には時間がかかり、CPUには2世代前のモバイル向け第9世代Coreプロセッサー「Coffee Lake Refresh」を採用。シリーズラインナップは、本稿で検証を行う「Core i9-9980HK」搭載の最上位モデル「NUC9i9QNX」のほか、実勢価格110,000円前後で「Core i5-9300H」を搭載する「NUC9i5QNX」など、下記3モデルが用意されている。
搭載CPU以外のスペックは同じで、グラフィックスカードを搭載できるPCI-Express3.0(x16)スロットに、計3基のM.2スロット(PCI-Express3.0x4およびSATA)や、帯域幅40GbpsのThunderbolt 3(USB Type-C)、Wi-Fi6(IEEE802.11 ax/ac/a/b/g/n)、2基のギガビットLANなどを備えている。
さすがにNUCの代名詞である手のひらサイズとはいかないが、筐体サイズ幅約238mm、奥行き約96mm、高さ約216mm、容積約5リットルという家庭用ゲーム機に近い存在感で、そのスペックや拡張性からは十分コンパクトなPCと言える。
NUCの名とともに、その組みやすさはしっかり受け継いでおり、付属のクイックスタートマニュアルに沿って、用意したメモリとストレージ(M.2 SSD)を装着するだけで組み立ては完了する。また、組み立てに必須となるネジの取り外しでは、多くのネジが回し切っても抜けないようになっているなど、配慮が行き届いている。
「Intel NUC 9 Extreme Kit」のパッケージ。これまでのNUCシリーズからは、かなり大型になっている |
外装パッケージを取り外すと、ドクロマークやIntel NUCロゴの入った樹脂製ケースがお目見え |
最終的には、押入の奥に仕舞われる宿命だが、高品質なベルトロックなどこだわりいっぱい。昨今では厳しいが、LANパーティー復活の際に、愛機を持って行くにも重宝する |
ベルトロックを外し、ケースを開けるとやっと本体がお目見え。本体は緩衝材でしっかりと保護されている |
クイックスタートマニュアルは、化粧箱側にひっそりと収納 | クイックスタートマニュアルからの抜粋。図解豊富で分かりやすい |
インターフェイスは、フロントにUSB3.1 Gen.2 Type-Aポート×2と、SDXCカードスロット。リアにThunderbolt 3(USB Type-C)×2、USB3.1 Gen.2 Type-Aポート×4を備えている。
USBポートは、Thunderbolt 3のType-Cを含めて、8ポートと充実。ゲーミングデバイスや、ウェブカメラなど困ることはないだろう |