エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.941
2020.12.09 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
最後に各種ベンチマーク中におけるシステムの消費電力をチェックし、テストセッションを締めくくろう。「PN62-BB7047MT」は、わずかTDP15WのCPUを搭載するエコなPCだが、はたしてシステム全体の消費電力はどこまで抑えられるだろうか。
各種ベンチマーク実行中の最大値をワットチェッカーで計測したところ、最も消費電力が高かった「3DMark(Night Raid)」でも50W未満。その他も30W前後であり、まるでデスクトップPCのアイドル動作のレベルに留まっている。省電力動作時は、デュアルストレージ構成にも関わらず、わずか14Wというエコ動作。付属のACアダプタにとらわれず、他のUSB PD環境で動作させたくなる省電力動作だ。
昨今はテレワーク需要の高まりもあり、ノートPCやスリムデスクトップPCが売れ行きを伸ばしている。こうした市場の要求に対して、手のひらサイズの超コンパクトPCである「Mini PC PN」シリーズは、まさにうってつけの選択肢だ。デスクトップPCとしてストレスなく使えるスペックがあり、この大きさでデュアルストレージを構築できる拡張性もアリ。やろうと思えば出先に持ち出せるサイズ感ながら、その見た目以上の実用性を備えている。
今回は最新作の「Mini PC PN60」から、Core i7-10510Uを搭載する「PN62-BB7047MT」の検証を行った。より高速かつ大容量のメモリへの対応に始まり、Comet Lake世代に進化したことでWi-Fi 6に対応するなど、周辺機能のアップグレードが実に好印象。Thunderbolt 3ポートや音声制御用のフロントマイクの搭載、USB PD入力への対応など、全体的な使い勝手がさらに向上している。USB PDでディスプレイと接続すれば電源ケーブルが不要になり、テレワークのデスク環境もスッキリ改善するだろう。
さすがに発売してまだ半年の「Mini PC PN60」から乗り換えるには至らないまでも、これから実用的な省スペースPCを導入しようという向きには、注目の一台。手のひらサイズでその気ならゲームも可能、周辺機能も充実した実力派のミニPCだ。
協力:ASUS JAPAN株式会社