エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.943
2020.12.14 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
グラフィックス関連のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
アイドル時の消費電力は、GPUコアや電圧、メモリスピードとも同等レベルまで引き下げられるため、いずれも60W後半で横並び。また高負荷時の消費電力は「Founders Edition」の368.4Wに対して、「GV-N3070GAMING OC-8GD」は396.2Wで30W弱増えている。とは言え、もともとGeForce RTX 3070の推奨電源ユニットが650W以上であることを考えれば、システムを構築する際の影響はほとんどないだろう。
最後にGIGABYTEオリジナルトリプルファンクーラー「WINDFORCE 3X」の冷却性能をチェックしていこう。なお消費電力の計測と同じく、ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用している。
表面:アイドル時のサーモグラフィ結果 | 表面:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
裏面:アイドル時のサーモグラフィ結果 | 裏面:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
アイドル時はいずれもセミファンレス駆動に対応するため、ファンの回転は完全に停止している。また高負荷時は「GV-N3070GAMING OC-8GD」はファンの回転率が約70%、GPUの温度は最高67℃で、まだまだ余力を残している状態。「Founders Edition」と比べても温度は5℃も低く、「WINDFORCE 3X」の冷却性能はとても優秀だ。
またファンの回転数を確認すると「GV-N3070GAMING OC-8GD」の約2,000rpmに対して、「Founders Edition」は約1,750rpmで、回転数自体は「GV-N3070GAMING OC-8GD」が高い。ただし、騒音値(測定時CPUファンの回転は強制的に停止)は、もともとかなり静かな「Founders Edition」よりもさらに2.8dBAも低く、バラックでのテストにもかかわらずファンの音が気になることは全く無かった。
先代から大幅な性能向上を果たした一方で、アッパーミドルながら大幅に消費電力が増加したGeForce RTX 3070。その分、冷却はシビアになっているが、「GV-N3070GAMING OC-8GD」に搭載されている「WINDFORCE 3X」の冷却性能はまさに圧巻。オーバークロックモデルにも関わらず、GPUの温度は67℃で頭打ち。静音性もかなり優秀で、ゲーム中にノイズに悩まされる心配はないだろう。
標準のオーバークロックについては、過度の期待は禁物だが、4K解像度やDXRなど、負荷の高い環境では確実に効果はある。さらに最近ではDLSSに対応するゲームも増えたこともあり、アッパーミドルながら4K解像度でも十分な性能を発揮。そして、あくまでも自己責任にはなるが、余裕のある冷却システムと、扱いやすいチューニングユーティリティを活かせば、さらなるパフォーマンスアップも比較的簡単に狙うことができる。
また300mmを有に超えるモデルが揃うGeForce RTX 3090/3080に比べると、「GV-N3070GAMING OC-8GD」の長さは280mmと控えめ。カード幅も115mmとコンパクトに設計されており、タワー型PCはもちろん、小型ゲーミングPCの相棒にもオススメだ。
協力:日本ギガバイト株式会社