エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.953
2021.01.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
CPUソケットはこれまでと同じSocket AM4を採用。ただし、電源回路は最新のRyzen 5000シリーズに最適化した設計へと変更されている |
製品の概要を把握したところで、ここからは編集部に届けられた評価サンプルをパッケージから取り出し、ASUS「ROG Crosshair VIII Dark Hero」の外観や機能を詳細にチェックしていこう。まずはPCの安定性やオーバークロック耐性を司る上で最も重要なCPUソケット周りからだ。
CPUの電源回路は、各フェーズ最大90Aまでの出力に対応するPower Stage ICによる14+2フェーズ回路を搭載。さらにアイドル状態から高負荷状態への遷移遅延を最小限に抑えるため、従来の「フェーズダブラー設計」ではなく、2基のPower Stage ICをコントローラが直接連携する「チーム設計」を採用。これにより、メニーコアCPUが必要とする電力を素早く、安定して供給でき、最新のRyzen 5000シリーズの持つポテンシャルを最大限に発揮することができるワケだ。
「ROG Crosshair VIII Dark Hero」では、フェーズダブラーを使わずコントローラが直接2基1組のPower Stage ICを制御する |
またヒートパイプで連結された大型のヒートシンクや、確実な電力供給を可能にする「ProCool II」電源コネクタ、最大45Aまで対応する高透磁率合金コアを採用した「MicroFine合金チョーク」、動作温度が高い状態でも数千時間の動作を保証する「10K日本製ブラック金属コンデンサ」など厳選された高品質なパーツを組み合わせることで、信頼性・耐久性を高めている。
CPUソケットを囲むように逆L字型に実装された14+2フェーズの電源回路。実装精度も高く、各パーツが整然と配置されている |
ハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFETに加え、ドライバICを統合したPower Stage ICや、高透磁率合金コアを採用した「MicroFine合金チョーク」などの高品質なパーツを搭載 |
PWMコントローラ「ASP1405I」(DIGI+ EPU)は基板裏面に実装 | 補助電源コネクタは8pin+4pinで、8pinコネクタにはメタルプレートが貼り付けられている |
ヒートパイプで連結された2ブロック構成の大型ヒートシンク。Power Stage ICだけでなく、フェライトコアチョークもまとめて冷却できるよう高導電性サーマルパッドが貼り付けられている |
「ROG Crosshair VIII Dark Hero」が採用するチップセットは、Socket AM4向け最上位のAMD X570。下位のAMD B550がCPUレーンのみだったのに対して、チップセットのレーンもPCI-Express4.0化されているため、すべての拡張スロットやM.2スロットがPCI-Express4.0に対応する。
Ryzen 5000シリーズを使う場合、AMD X570チップセットマザーボードの多くでBIOSのアップデートが必要になるが、「ROG Crosshair VIII Dark Hero」なら初期BIOSから問題なく動作させることができる |
またAMD B550に比べると発熱が大きく、チップセットファンを搭載する製品が多いAMD X570マザーボード。しかし「ROG Crosshair VIII Dark Hero」では、基板の約3分の1を専有する大型ヒートシンクを実装することで、ファンレス駆動を実現。ファンのノイズを気にしなくて良いのは、AMD X570マザーボードを選ぶ上で大きなアピールポイントになる。
基板の約3分の1を専有する大型パッシブヒートシンク。M.2 SSD用のヒートシンクとは完全に独立しており、チップセットを強力に冷却する |