エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.955
2021.01.22 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ゲーム関連のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
アイドル時は、省電力機能が有効になるためいずれもほぼ横並び。高負荷時の消費電力はリファレンスとDefaultの比較で60W弱、OC Modeでは90W弱増加している。決して小さな差ではないが、推奨とされる900W以上の電源ユニットを用意すれば全く問題なし。ワットパフォーマンスや扱いやすさも重要になるミドルレンジモデルと異なり、最上位モデルに要求されるのはまずパフォーマンス。実際のベンチマーク結果でも確実に上積みがあることからOC Modeについては、基本有効にした状態で使うのがオススメだ。
最後にオリジナル3連ファンクーラー「Phantom Gaming 3X Cooling System」の冷却性能をチェックしていこう。なお消費電力の計測と同じく、ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用している。
表面:アイドル時のサーモグラフィ結果 | 表面:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
裏面:アイドル時のサーモグラフィ結果 | 裏面:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
Defaultでは高負荷時のファン回転率が約50%、回転数は1,650rpm前後で、GPUの温度は最高67℃、HotSpotの温度も最高86℃で頭打ち。回転数が1,700rpm前後とやや高いリファレンスクーラーでは、GPUの温度は最高77℃、HotSpotの温度が96℃まで上昇したことを考えると「Phantom Gaming 3X Cooling System」の冷却性能は非常に優秀。なおより負荷の高いOC Modeでもファンの回転数は1,700rpm前後、GPU温度も最高75℃、HotSpot温度も93℃で、リファレンスクーラーより低く抑えられていた。
また騒音値(測定時CPUファンの回転は強制的に停止)も、Defaultで41.1dBA、OC Modeでも41.6dBAまでしか上がらず、高負荷時でもノイズに悩まされることはないだろう。
ASRockのグラフィックスカードでは、現状最上位に位置づけられる「Radeon RX 6900 XT Phantom Gaming D 16G OC」。レイトレーシング機能に対応しない(もしくは使用しない)ゲームであれば、4K解像度でも最高品質かつ高リフレッシュレートな環境でゲームを楽しめる。さらにフルHD解像度であれば、200Hzクラスはもちろん、360Hzの超高速リフレッシュレート液晶ディスプレイも十分活用できる。
またオリジナル基板と高品質なパーツで構成される堅牢な電源回路によって、DefaultはもちろんOC Modeでも全く動作に不安はない。オリジナル3連ファンクーラー「Phantom Gaming 3X Cooling System」もDefaultならGPUの温度は70℃未満と優秀。OC Modeで運用した場合でもリファレンスモデルよりGPUの温度を低く保つことができ、発熱に悩まされることはないだろう。
若干気になるのは、そのサイズからPCケースを選ぶこと、さらに推奨電源容量が900W以上と電源ユニットへの要求が高いこと。とは言え、フラッグシップモデルを選択するユーザーにとっては大きな障害にならないはず。何はともあれ、最高峰のパフォーマンスを目指すなら検討に値する1枚である事は間違いない。
協力:ASRock Incorporation