エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.958
2021.01.31 更新
文:撮影・こまめ
「UL Procyon」はアドビのクリエイター向けソフトの快適さを計測するベンチマークテストだ。このテストについてはMicrosoft Azure AIの有効(Egde AI)/無効を切り替えて実施した。さらに参考までに筆者のメインPC (Intel Core i7-8700K/32GBメモリー/256GB NVMe SSD/NVIDIA GeForce RTX 2070 SUPER)での結果を比較用として含めている。
「Photo Editting Benchmark」は画像加工に関するテストを行なう。「Image Retouching」は「Adobe Photoshop」メインでGPU性能が影響しやすく、「Batch Processing」は「Adobe Photoshop Lightroom Classic」メインでCPUとストレージ性能が影響しやすい。「Video Editing Benchmark」は「Adobe Premiere Pro」を使ったテストで、フルHD (H.264)および4K (H.265)動画の出力にかかった時間が計測される。こちらの結果は総合スコアのみだ。
結果を見ると、「AERO 15 OLED」は少し前のデスクトップPCとほぼ同程度のパフォーマンスを発揮できていることがわかる。Microsoft Azure AIの有効/無効でも差は出ているが、2~3%程度だ。ノートPCでもクリエイティブな作業にガッツリと使えるが、Microsoft Azure AIはあまり有効ではないのかもしれない。
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」をフルHDの最高画質で10分間実行し続けた際のCPUとGPUの温度を計測したところ、平均としてはCPUが83℃、GPUが77.7℃という結果だった。CPU温度については何度か90℃を超える場面があり、やや高めに推移している。クロックは平均3.65GHzとやや抑え気味の印象だが、熱の上がり過ぎを防ぐための配慮なのかもしれない。
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」を10分間実行し続けた際のCPUとGPUの温度およびCPUクロックの推移 |
消費電力については、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」を30分間実行し続けた際のワット数を計測した。アイドル時は平均59.6Wだったが、CPUとGPUに高い負荷がかかるテスト中では平均178.8Wと大きく増えている。最大ワット数が198Wなのは、CPUのPL1の影響で起動時に高い電圧がかかるためだ。同クラスのゲーミングノートPC/クリエイター向けノートPCに比べて消費電力が数ワット高いのだが、これは4Kディスプレイを搭載しているためかもしれない。一般的に解像度が高いほど消費電力が大きいのだが、IPSパネルよりも消費電力が低い有機ELが使われているのでこれだけの差にとどまっている可能性はある。
ベンチマーク結果をご覧いただくとおわかりのように、NVIDIA GeForce RTX 30 Laptop GPUシリーズを搭載した新しい「AERO 15 OLED」は、これまでよりもさらに高い性能を実現している。さすがに現行世代のハイエンドデスクトップPCには及ばないものの、2世代程度前のデスクトップPCなら「AERO 15 OLED」に及ばない機種も少なくないだろう。さらにデスクトップPCよりも消費電力が低く設置に場所を取らないことを考えると、その代わりに「AERO 15 OLED」を選ぶのは大いにアリだ。加えて4K有機ELディスプレイを搭載している点も見逃せない。高精細なゲームをカジュアルに楽しめるほか、色を重視するクリエイティブな現場でも活躍するだろう。
協力:日本ギガバイト株式会社