エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.964
2021.02.18 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
クリエイター向け筐体「Creator 400M」は徹底した静音対策が施されている。その最たる箇所が意外にも左側面の強化ガラス製サイドパネルだ。
後方に蝶番を設け開閉機構を備える左サイドパネル。固定にはマグネットが使用されている |
そもそも強化ガラスとは、魅せるPCケースには必須とも言えるキラーワードであり、静音性とは結びつきにくい素材に思える。しかし資料によると「Creator 400M」は、5.38mm積層強化ガラスと呼ばれる3層構造の特殊強化ガラスを採用。内側の層はPCの動作音を内部に反射させ、中央の層(内部ガラス)は、音を吸収する作用があるとされる。魅せる要素は二の次で、あくまで静音性を重視した構造であり、「Creator 400M」の要となる部分と言えよう。
重量級積層強化ガラス製サイドパネルを支える蝶番。上下2箇所に設けられた蝶番は、2本のネジでサイドパネルをサンドイッチする形でネジ留めされていた。ちなみに積層強化ガラスは、万一割れてしまった場合でも、一般的な強化ガラスに比べ破片が飛び散りにくい構造であるという |
一方、右側面は密閉型のいわゆるソリッドパネル。内部側には高密度吸音材が一面敷き詰められ(実測で幅約455mm、高さ約445mm)、徹底した防音対策が施されている。ここでも「Creator 400M」の静音に対する意識の高さが窺える。なおシャーシへの固定は後方折り返し部上下各1本のハンドスクリューを使用。ネジを緩めても直ぐに脱落しないよう、シャーシ側面にはボールジョイントが採用されていた。
シャーシ側面の上下には、ボールジョイントの受け部が埋め込まれている。高密度吸音材で重量のあるサイドパネルが急に脱落しない配慮と、メンテナンスのし易さという2つのメリットがある |
構成パーツをギッチリ詰め込むと、場合によっては腰を痛めるほどの重量になる。一度設置してしまえばそうそう移動する事もなく、リアパネルをじっくり見る機会も無いだろう。今のうちに本体背面に回り込み、じっくりチェックしておきたい。
まず上段右側は冷却ファンの通気孔で、左手の縦開口部はマザーボードのバックパネル用。中段には拡張スロットがスペースを占有し、最下段の最も広いカットは電源ユニットの搭載スペースとなる。背面のレイアウトを見れば、おおよそ内部構造の見当が付く。「Creator 400M」は、電源ユニットをボトムレイアウトにしたオーソドックスな設計である事がお分かり頂けるだろう。
リアパネル以上に眺める機会がなくなるボトムパネル。フロント開閉ドアの張り出し部分にダメージがないよう、気を付けながら本体をひっくり返し、底面を観察してみよう。ボトム面を大きく占有しているのが、プラスチック性能防塵フィルタだ。メンテナンスを考慮した後方スライド着脱式を採用。とは言え、長さは実測で約385mmにもなり、完全に引き出すには後方にそれなりのスペースが必要だろう。なお四隅のインシュレーターは円形で、設置面には滑り止め用ゴムが装着されていた。
防塵フィルタはスライド着脱式。インシュレーターは円形で、高さは実測で約20mmといったところ |