エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.965
2021.02.21 更新
文:撮影・こまめ
「GE76 Raider」シリーズはMSI製ゲーミングノートPCのラインナップにおいて、ハイエンドクラスに位置付けられている。今回取り上げる「GE76-10UH-003JP」は、さらにそのなかでも最上位に君臨するフラッグシップモデルだ(2021年2月上旬時点)。
最上位モデルだけあって、筐体の仕上がりは非常にクオリティが高い。本体カラーは重厚感のあるチタニウムブルーで、天板とパームレストには質感と剛性に優れるアルミ素材が使われている。スポーツカーを思わせるようなエアダクト&ヒンジまわりのフォルムも秀逸な出来栄えだ。本体はかなり大きいものの、これは17.3型の大型ディスプレイと最上位クラスの高性能パーツを搭載しているため。大型ノートPCにありがちなゴツさや野暮ったさはまったく感じられず、フラッグシップモデルにふさわしい圧倒的な存在感を漂わせている。
メタリックに仕上げられたアルミ製の天板。光の当たり方によって印象が大きく変わるユニークな仕上がりだ | MSI製品ではおなじみのエンブレム。エンボス加工風だが、おそらく別パーツがはめ込まれている |
パームレスト側面にはバーライト風のRGBイルミネーション |
SteelSeries製のRGBキーボードを搭載。光の色や発光パターンは、標準収録ユーティリティーでカスタマイズ可能だ |
フットプリントは幅397mm、奥行284mm。17.3型としては比較的コンパクトな設計 | 本体重量は実測で2.987kg。高性能パーツや冷却機構を備えているだけあって、それなりに重い |
周辺機器接続用のインターフェース類は、十分な数と種類が用意されている。USB端子は合計5ポートで、うち2ポートがType-C。映像出力はHDMI、miniDisplayPort、USB Type-Cが利用可能で、合計3画面の同時出力が可能だ。ネットワーク機能は有線が最大2.5Gbps対応のKiller Ethernet E3100Xで、無線は6GHzの周波数帯に対応するWi-Fi 6E。そのほかにもSDカードリーダーや207万画素のWebカメラなどが用意されている。繋ぎっぱなしで使う映像出力端子や電源コネクタ、有線LANは背面側に配置されているので、本体の両脇がケーブル類でゴチャつくことはないだろう。
独特なフォルムの背面。左からminiDisplayPort、USB3.2 Gen.2 Type-C (映像出力対応)、有線LAN、HDMI、電源コネクタが配置されている |
左側面にはUSB3.2 Gen.2 Type-A、USB3.2 Gen.2×2 Type-C (データ通信のみ対応)、ヘッドセット端子 | 右側面はUSB3.2 Gen.2×2 Type-A、SDカードリーダー、USB3.2 Gen.1 Type-Aの構成 |
付属の電源アダプターはかなり大型。重量は実測で1.002kg |
底面カバーは樹脂製で、取り外せば本体内部にアクセスできる。ただしユーザー自身でのパーツ交換(増設ほか)は、メーカーの保証対象外となるので注意が必要。増設作業等はMSI公認サポート店及びMSI公式サポート店に任せよう。
本体底面部。ハニカム構造のような独特のデザインだが、通気口自体はそれほど大きくはない |
底面カバーを外した状態 |
メモリスロットは2基。対応メモリはDDR4 3200 (PC4-25600) SO-DIMM | ストレージ用のM.2スロットは2ポート。Type 2280にのみ対応している |
「GE76 Raider」ではMSI独自の冷却機構「Cooler Boost 5」を採用している。冷却パーツは6本のヒートパイプと2基の空冷ファン、4基の空冷フィンの構成だ。エアフローは底面部から外気を空冷ファンで取り込み、左右側面と背面の排気口から排出する流れ。本体内部の熱を効率的に排出することで、システムの安定稼働を実現している。
6本のヒートパイプと2基の空冷ファンで構成された「Cooler Boost 5」 |
背面の排気口 |
左右側面の排気口 |