エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.967
2021.02.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ベンチマークテストが一段落したところで、「GeForce RTX 3060 GAMING OC 12G」最大の特徴でもある「WINDFORCE 3Xクーリングシステム」の実力をチェックする。検証にはストレステストの「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用し、「GPU-Z」でGPU温度やファン回転数を計測した。
フルロード時のGPU温度は60℃に抑えられ、その際のファン回転数は1,750rpm前後。回転数は稼働率70%未満と余裕があることから、GPU温度のターゲットが60℃に設定されていることが分かる。2GHzに迫るオーバークロック状態で動作させながら、ここまでコア温度を抑え込めているのはさすが。動作音もほとんど気にならず、静音性も両立できている。GeForce RTX 3060仕様に設計された「WINDFORCE 3X」は、期待通りの性能を備えているようだ。
最後はシステム全体の消費電力を振り返り、テストセッションを締めくくろう。検証には上記同様にの「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を動作させ、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として、ワットチェッカーによる計測を行った。
TGP150WとされるGeForce RTX 3060とTDP105WのRyzen 9 5900Xを搭載したシステムで、消費電力は最大287W。ミドルレンジ向けGPUの搭載環境らしく、控えめなレベルに留まった。オーバークロック仕様である影響もあまりなく、NVIDIAが推奨容量に挙げる550W程度の電源ユニットがあれば、十分にまかなえる消費電力と言える。
看板に偽りなしといったところだろうか。レイトレーシングの本格普及という使命を背負って登場したGeForce RTX 3060は、およそ想定される性能を十分に備えていた。レイトレーシングを有効化しつつ、多くの対応タイトルにおいて快適なフルHDゲーミングが可能。オフの状態ならWQHD解像度のプレイも狙える。前世代からDLSSの効きも大幅に良くなっており、フルHD級のプレイ水準とハイレベルなグラフィックスクオリティを両立できる点も嬉しい。
ミドルクラスのゲーマーが求める性能を備えた、最も手頃なGeForce RTX 30シリーズGPU。いま市場で最も必要とされる存在であることは間違いない。
その中でも、今回検証を行った「GeForce RTX 3060 GAMING OC 12G」は、優れた冷却性能が際立つ傑作モデル。クラス最高レベルの3連ファンクーラーにより、リファレンス比1割増しの高クロック動作を強力かつ静粛に冷やし切ってくれる。GPUのもつポテンシャルを最大限に引き出す装備を備えた、真っ先に手に取りたいGeForce RTX 3060グラフィックスカードだ。
しかしながら、圧倒的なグラフィックスカードの品薄が続く現在の自作市場においては、そもそも目当てのモデルを入手できるかは未知数。初回分はそれなりの数が流通すると噂されているGeForce RTX 3060だが、その登場で市場の景色はどう変わるだろうか。
協力:GIGABYTE Technology