エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.967
2021.02.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まずは3Dベンチマークの定番である「3DMark」から検証を始めよう。最初に実行するのは、DirectX Raytracing(DXR)におけるレイトレーシング性能をチェックする「Port Royal」だ。ミドルレンジ帯にレイトレーシングを普及させる使命を帯びたGeForce RTX 3060にとって、重要な意味合いをもつテストでもある。
GeForce RTX 30シリーズの末っ子とあって、スコアは5,000ポイント強、フレームレートも約24fpsと、それほど高い結果ではない。ただし「Port Royal」のテスト環境はWQHD解像度(2,560×1,440ドット)のため、本来フルHDを戦場にするGeForce RTX 3060には過剰な負荷とも言える。解像度を調整すれば、十分にレイトレーシングを活用できるであろう可能性を感じさせてくれる結果だ。
続いては、同様に「3DMark」のレイトレーシングテストである「DirectX Raytracing feature test」を実行する。「Port Royal」からさらに発展させたレイトレーシング特化のテストで、シーン全体をレイトレーシングのみでレンダリング。ハードウェアの純粋なレイトレーシング性能を計測することができる。
こちらのテストもレンダリング解像度はWQHDとあって、フレームレートは20fpsに落ち着いた。とは言えテスト映像がコマ落ちするほどではなく、テスト中のフレームレート推移は極めてフラットだった。解像度や各種設定の調整次第では、十分にレイトレーシングを活用したゲームプレイが可能だろう。
レイトレーシング系のテストが一段落したところで、続いて一般的なラスタライズ手法によるレンダリング性能を「Time Spy」でチェックしよう。なお、「Time Spy」および「Time Spy Extreme」のプリセット両方を使用して計測を行っている。
APIにDirectX 12を使用する「Time Spy」の結果は、WQHD解像度の無印テストではスコアが9,292ポイント、Graphics test 1のフレームレートが約59fpsと健闘。主要タイトルのフレームレートを推測する「Estimated game performance」(Battlefield V/1440p Ultra)も85fps以上という判定で、WQHD解像度の重量級テストでも十分なパフォーマンスを見せてくれた。
なお上位プリセットの「Time Spy Extreme」では、スコアが4,498ポイントでフレームレートが26fpsほど。さすがに4K解像度で描画されるテストでは力負けといったところで、実際のゲームでも相応の解像度設定を選択したい。
次はDirect X11環境のベンチマークテスト「Fire Strike」のスコアを見ていこう。プリセットは「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類すべてを選択、それぞれの結果は以下の通りだ。
本来の性能レンジとして想定されているフルHDの無印テストでは、スコアが21,150ポイント、Graphics test 1のフレームレートが100fpsオーバーという優秀な結果に。WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」でもフレームレートは54fps程度で踏みとどまっており、Direct X11環境でもだいぶリッチな設定のゲームプレイが楽しめそうだ。
その一方で、4K解像度のテストである「Fire Strike Ultra」ではスコアも相応、フレームレートも27fps程度。GPU性能に適した設定に調整するべきだろう。