エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.969
2021.03.02 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
コストパフォーマンスモデルながら、「Dr.MOS」や「Super Durable Ferrite Choke」「Super Durable Solid Caps」など電源回路には高品質・高耐久なパーツを採用 |
製品の概要を把握したところで、ここからは画像による詳細検証を進めていこう。まずは高クロックなハイエンドCPUや、オーバークロック動作時の安定性を追求したという電源回路からだ。
低価格モデルでは、ハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET、ドライバICを個別に実装している製品が多いが、「B550M-SILVER」ではこれらを1チップに統合した、高効率・低発熱な「Dr.MOS」による10フェーズのデジタル電源回路を搭載。個別実装に比べて応答性にも優れることから、負荷変動の大きい最新のメニーコアCPUでは安定性に大きな違いが出るはずだ。
またエネルギー損失の低い「Super Durable Ferrite Choke」や、通常の2倍の耐久性を誇る「Super Durable Solid Caps」などの高品質なパーツを採用。さらにインターフェイス部分にまでせり出した、大型のアルミニウム製ヒートシンクを組み合わせることで冷却性能を高めている。
負荷変動が大きいメニーコアCPUの安定動作を可能するため、CPU用電源回路は全てのフェーズに「Dr.MOS」を採用 |
「Dr.MOS」は50A対応のON Semiconductor「NCP303151」で、PWMコントローラはRenesas「RAA229004」 |
補助電源コネクタは8pinx1 | 電源回路を冷却するアルミニウム製ヒートシンク。CPUソケット左側に実装されている大型ヒートシンクは、放熱面積を確保するためフィンが大きくせり出している |
「B550M-SILVER」が採用するチップセットは、Socket AM4に対応するメインストリーム向け「AMD B550」。チップセット自体のレーンはPCI-Express3.0に留まるが、CPU側のPCI-Express4.0レーンを利用可能。AMD Radeon RX 6000シリーズ、NVIDIA GeForce RTX 30シリーズなどの最新グラフィックスカードや、高速NVMe M.2 SSDのパフォーマンスを最大限に引き出すことができる。またAMD X570に比べて発熱が少ないため、小型のヒートシンクでも十分に冷却ができるのも、このクラスのマザーボードでは大きなメリットだ。
「RACING」のロゴがデザインされた小型アルミニウム製ヒートシンク。基板には2本のプッシュピンで固定されていた |
チップセット自体のレーンはPCI-Express3.0のため、PCI-Express4.0レーン数に制限はあるものの、消費電力は大幅に低減されている |