エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.969
2021.03.02 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
シングルスレッド性能が大きくスコアに影響する「ファイナルファンタジーXIV: 漆⿊のヴィランズ」。「CINEBENCH」系のシングルコアテストと同様、いずれの解像度でも有意な差は見られなかった。
ここまでの結果を見る限り、レンダリング処理や動画のエンコードといったマルチスレッドに最適化した処理では「ECO Mode」を選択することで約8%性能が低下する。一方、オフィスソフトやゲームなどシングルスレッド性能が重要になる処理では、TDPの制限に引っかからないため全く影響がないようだ。
最後に消費電力を確認しておこう。アイドル時は、省電力機能によってクロック、コア電圧とも同等レベルに引き下げられるため全く違いはなし。またシングルスレッド処理が中心の「ファイナルファンタジーXIV: 漆⿊のヴィランズ」でも約2%とその差は極わずかだった。ただし、マルチスレッド処理の「CINEBENCH」系では約70Wもの差がついた。性能低下が約8%とそれほど大きくないことから、発熱が気になる場合だけでなく、ワットパフォーマンスを重視する場合にも「ECO Mode」は有望な機能になりそうだ。
コストパフォーマンスを追求したというBIOSTAR「B550M-SILVER」。確かに最近ではミドルレンジクラスの製品でも標準装備になりつつある一体型のI/Oシールドや、リアインターフェイス保護カバー、M.2 SSDヒートシンクが省略されるなどコストカットの影響は確実にある。
ただし、高品質なコンポーネントで構成される10フェーズ電源回路や、最高4,933MHzまでの対応を謳うメモリスロット、従来の2倍以上のパフォーマンスを発揮する2.5ギガビットLANなど、性能に直結する部分についてはなかなか充実した構成。特に電源回路の安定性は抜群で、よほどピーキーなチューニングを施さない限り、ハイエンドモデルとの差を感じることはないだろう。
さらに基板上にLEDイルミネーション機能を一切搭載せず、落ち着いたデザインを採用しているのも大きな特徴。本来はゲーミング向け「RACING」シリーズに属する製品だが、極力無駄を排除した質実剛健な作りは、過剰な主張が不要なビジネス向けやクリエイター向けのベースとしてもオススメだ。
協力:株式会社アユート
BIOSTAR Microtech International Corp.