エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.971
2021.03.06 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
フロントパネル内部には、140mmファン「Dynamic GP-14」2基が標準で装備されている。不規則な凹凸で成形されたメッシュフロントパネルは見るからに通気性が高く、1,000rpmの低速で68.4CFMもの大風量を生み出す2基の冷却ファンにより、フレッシュな外気を常時筐体内部に取り込む。さらに120mmファンを最大3基に換装できるスリットタイプのネジ穴も用意されている。
なおラジエターは、120/140/240/280/360mmサイズまでをサポート。製品名こそ「Compact」だが、一般的なミドルタワーPCケースと遜色ない高冷却システムが構築できる。
140mmファン2基が標準装備。ケージタイプのシャドウベイユニットに直接風を当てたい場合は、120mmファン3基に換装するといいだろう |
採用ファン「Dynamin X2 Fan GP-14」は、シャーシ側フロントパネルにテーパーネジで固定されている |
ほぼ全面にわたり通気孔仕様のトップパネル。出荷時は非搭載ながら、任意で120mmまたは140mmファンが2基増設できる。排熱効率を強制的にあげたい場合、冷却ファンの導入は効果を発揮するだろう。また熱は上昇するだけに、システムによっては自然排熱だけに任せる手もあるだろう。なおラジエターは120mmまた240mmサイズが搭載可能。オールインワン型水冷ユニットを導入するなら、多くのユーザーがこの場所を利用する事になる。
トップパネル、防塵フィルタの順に取り外すと露わになる、トップパネル部の冷却ファンブラケット。ネジ穴はスリットタイプで、搭載ポジションの微調節に対応する |
熱源となるCPUソケットやマザーボードの電源周りの排熱処理に欠かせないのが、リアパネル部に標準装備される120mmファン「Dynamic GP-12」だ。筐体内部の熱籠もりを解消する重要な役割を果たし、PCの電源スイッチがONの状態であれば常時1,200rpmで動作し続ける。比較的コンパクトな設計上、140mmファンへの換装はできないが、120mmサイズラジエターのマウントは可能。最もベーシックなオールインワン型水冷ユニット導入時は、このスペースを活用する事になる。なおネジ穴はスリットタイプで、約10mmストロークと僅かながら固定位置の微調整に対応する。
マニュアルによると、ボトムカバー内部も冷却ファン増設スペースとして活用できると記されている。ここは注釈が必要だが、2.5/3.5インチシャドウベイユニットを取り外す事が条件で、空いたスペースの底面に用意されているスリットをネジ穴として利用。120mmファンまたは120mmサイズラジエターが1基搭載できるという。
実際に120mmファンの搭載を試みたものの、電源ユニットの搭載スペースの一部を割き、2.5/3.5インチシャドウベイユニットと引き換えてまで、冷却ファン単体で果たす役割はなかなか想像がしにくい。ユーザーの工夫次第といったところだろうか。