エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.972
2021.03.08 更新
文:藤田 忠/撮影:松枝 清顕
「GAMMAXX A-RGB」シリーズの概要を把握したところで、その特徴と360mmサイズラジエターを採用する「GAMMAXX L360 A-RGB」の外観をチェックしていこう。
ポンプ内蔵のウォーターブロックとラジエターがウォーターチューブで接続されているオールインワン水冷ユニットおなじみの外観だが、どのような独自技術が採用されているのだろうか。
Deepcoolのオールインワン水冷ユニットの最大の特徴となるのが、研究開発に3年間を費やしたという独自の冷却液漏れ防止機構の「Anti-leak Tech」だろう。
滅多にあることではないが、ゼロではないのが水冷ユニットの冷却液漏れで引き起こされるPC故障。冷却システムの内圧が高まることでポンプやチューブ接続部などが破損することが、その主要な原因の一つだ。これは冷却液の体積が温度上昇とともに膨張するためで、水冷システムでは切り離せない問題。本格水冷では水路内圧を調節するプラグが用意されている。この内圧調節を、冷却液を揮発させないように密閉されているメンテナンスフリーのオールインワン水冷ユニットで可能にしたのが、Deepcoolの「Anti-leak Tech」だ。
その仕組みは、温度差が発生するラジエター内の冷却液に浸す形で、弾性のある圧力解放チューブを内蔵するというもの。冷却液の温度が上昇して、体積が膨張、内圧が高まると圧力解放チューブが収縮して内容積が増加する。結果として各部への圧力が下がり、液漏れの危険性を抑えるという仕組みだ。
独自の圧力解放チューブで内圧を調節する独自の冷却漏れ防止機構「Anti-leak Tech」(解説サイト) | ラジエター内に備わっている圧力解放チューブ。デュポンによって製造された高い弾力性、耐腐食性、耐老化性などを備えるゴム素材でできている |
ウォーターチューブ側にも突起がある。製造時の冷却液注入口と思われる。貼ってあるシールを破ると保証がなくなるので気をつけよう |
ラジエター端に圧力解放チューブを内蔵し、片側は外気に触れている。気になるからといって分解はNGだ |
冷却性能に影響するラジエターはアルミニウム製で、熱循環効率と放熱面積を高めた「マイクロウォーターチャネル」設計をさらに推し進めた「E形状マイクロウォーターチャネル」を採用。独自フィン形状と流路設計により、熱接触面積を拡大しているという。
「GAMMAXX L360 A-RGB」採用の360mmサイズラジエターは奥行き402mmと、従来の製品よりも余分にスペースが必要になっているのでPCケースのラジエター搭載スペースは要確認だ。この点は240mmサイズラジエターの「GAMMAXX L240 ARGB」も同様で奥行きは282mmになっている。
アルミニウム製の360mmサイズラジエター。フィンは幅120mmのラジエターでは、一般的な13列が並んでいる | リザーバータンクに加え、「Anti-leak Tech」のスペースがある分、サイズアップしている形だ |
熱接触面積を増やしたフィン形状などで高効率に冷却 | ラジエター厚は実測で最大27.5mmだった |